「農民」記事データベース20130617-1073-12

旬の味


 私の住む埼玉県東部の田んぼは6月に入り田植えされた苗が青々と生育している。緑のじゅうたんが敷き詰められたような景色だ▼農民と話をするのが楽しみで朝早くから散歩している。初めはあいさつだけだったのが何回か出会うと話ができるようになった。「夫と2人でやっているが、息子に継げとはいえない。農業では生活ができないね。ご先祖様からの土地を失っては申し訳ない」という60歳代の農村女性▼定年になったばかりの男性は「農業だけでは食っていけない。田は荒らしたくない。1年も作らないと雑草で覆われてしまう。あのような田にしたくない。TPPに参加したら作らなくなる田がどんどん増えるよ」と耕作放棄された田を指差した▼生産者米価を聞くと何人もの農民から「2万円になればなあ。いま1万円前後だ。赤字だよ」と厳しい表情。米作りの話になると顔が生き生きする。作る喜び、誇りを奪い、農業を壊滅させるTPP。交渉参加反対を地域ぐるみの運動に発展させていこう。

(昭)

(新聞「農民」2013.6.17付)
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2013年6月

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