「農民」記事データベース20130617-1073-06

都議選
都市農業振興の視点からみると


猪瀬都政に対決できる党は?

 猪瀬都政に付き従う自公民

 参院選の前哨戦、東京都議会議員選挙が6月23日投票で行われます。都市農業の振興の点からも重要な意味をもつ今度の都議選。農業の視点からみてみます。

 昨年末に誕生した猪瀬都知事ですが、石原前都政を継承し、不要不急の大型開発を最重点とする一方、くらし、福祉、雇用、中小企業、防災対策などはきわめて不十分です。都議会では、自民・公明・民主3党が猪瀬都政に付き従い、大型開発中心、暮らし・福祉切り捨てに賛成しています。

 くらしや雇用、地域を破壊するTPPに対しても、東京都の農林水産業を守る立場から、参加表明撤回の意思を示すことが強く求められています。しかし2013年第1回定例会に、日本共産党都議団が提案した「TPP参加中止を求める意見書」は、自民、公明、民主などの反対で採択されませんでした。

 牛肉輸入緩和撤回
 自公民の反対で意見書が不採択

 いま政府は、TPPへの参加をにらみ、輸入牛肉の月齢制限のさらなる引き上げをねらっていいます。共産党都議団は、2011年の第4回定例会で「牛肉の輸入制限を緩和する方針の撤回に関する意見書」を提案しましたが、これも自公民の反対にあい採択されませんでした。共産党都議団は今年の4月にも、「国産牛のBSEの全頭検査の継続等に関する申し入れ」を行っています。

 都市農業施策を都政の柱にしっかり位置づけた「農業振興条例」が制定されれば、予算の確保や部局ごとの施策にも整合性が求められ、都として充実した施策が実行されます。東京農民連は毎年、都に対して「都市農業振興条例」を制定するよう求めていますが、「『東京農業振興プラン』を策定しているので、条例制定の予定はない」と背を向けています。

 東京農民連はほかに、相続税等納税猶予制度の継続、固定資産税と相続税の抜本的な軽減、市区町村が生産緑地を買い取る場合の財政支援、体験・市民農園の施策の拡充などを求めています。

 共産党都議団は、都議選の「緊急・重点政策」のなかで、「都市農業振興条例をつくり、農業・農地を守る支援を拡充します。農産物の直売、加工、地産池消などの取り組みを支援し生産緑地を買い取る区市町村への助成を行います」と訴えています。

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小寺理一・東京農民連会長の畑(清瀬市)で農業体験をしました

 中央卸売市場移転
 自公民は賛成 白紙撤回の共産

 さらに都民の台所、東京都中央卸売市場(築地市場)の、豊洲への移転問題では、移転候補地から有毒物質が検出されたほか、移転自体が大手量販店、外国企業が潤う市場への解体をねらったものです。事業費も膨らみ続けています。

 自民・公明ははじめから移転に賛成、民主は反対の公約を投げ捨てました。共産党は「移転を白紙に戻し、現在地での再整備」を要求しています。

 東京農民連の武藤昭夫事務局長は「都市農業の振興のために、猪瀬都政にきっぱりと対決する政党・議員を都議会に」と呼びかけています。

(新聞「農民」2013.6.17付)
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2013年6月

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