福島県北農民連会報
「かわら版」300号に
原発事故と東電賠償交渉などで
大きな役割を果たす
2007年1月に第1号を発行して以来、6年間、毎週休まず発行されてきた福島県北農民連の会報「かわら版」が、このたび300号を突破しました。
この間、東日本大震災と原発事故という想像を絶するような災害に見舞われ、福島の私たちの生活や農業、農民連の組織は甚大な被害を受けました。その困難ななか、「かわら版」は怒涛(どとう)、逆風、荒海のなかにこぎ出す小舟の羅針盤のように、たいへん大きな役割を果たしています。
「かわら版」は新聞「農民」と一緒に配られ、配達・集金もほぼ完ぺき。会議や東電との交渉、さまざまな行動日程など、会員はこの会報を通して知ることができ、組織と会員とをつなぐパイプとしてなくてはならないものとなっています。
とりわけ東電への賠償請求の取り組みでは、大きな力を発揮しました。東電の重く、固く閉ざされた交渉の扉を、みんなの力で少しずつこじ開け、交渉の席に着かせた経過や、厳しい交渉を経て、一歩ずつ実績を勝ち取っていくさまがリアルタイムで報じられています。そこには感動で震える場面も、怒りで涙する場面もあります。
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300号を持つ県北農民連の服部事務局長(右)と、事務局員の藤田和佳子さん |
困難な時こそ組織は強くなる
県北農民連はこの6年間で組織をほぼ倍加しました。条件が厳しいと、そのために組織拡大が困難だと言う意見がよくあります。しかしこの間の県北農民連の経験は、「困難な時だからこそ、組織は強くなる」ということと、この「かわら版」が果たした仕事の大きさを明らかにしました。
古いたとえ話ではよく「焼酎と機関紙は3号(合)で終わる」と言います。しかし300号を達成した「かわら版」は、このたとえ話をみごとに打破しました。発行責任者をしている服部崇事務局長に今後の目標を聞いいたところ、「私たちにはこれからも長いたたかいが続きます。その先になんとか明るい展望を見いだしたい。そのために『かわら版』をずっと発行し続ける、これが目標です」と語ってくれました。
(福島県北農民連 佐々木健三)
(新聞「農民」2013.6.10付)
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