「農民」記事データベース20130610-1072-11

シリーズ
食品表示を考える
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主婦連事務局長 佐野真理子


表示されない食品添加物名

 食品添加物の表示は消費者にとってわかりにくいものです。主婦連合会をはじめ9つの団体で構成する「食品表示市民ネットワーク」では食品安全グローバルネットワークの中村幹雄鈴鹿医療科学大学客員教授を中心に「食品添加物検討チーム」を結成し、表示の実態を学び、どうあるべきかを検討してきました。

 現行の添加物表示では「一括名」「簡略名」が採用され、物質名の記載は限られます。使用添加物には表示されないものが数多く存在しているのです。

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中村教授(左の立っている人)を囲んで開いた勉強会

 この事実は、消費者が食品添加物について知らないまま摂取していることを示しています。例えば、市販イチゴジャムに記載されている「ゲル化剤(増粘多糖類)」にはジェランガムの使用が推定され、「pH調整剤」ではクエン酸ナトリウムの使用が考えられます。表示にはそれら物質名記載はありません。よく見かける「加工でんぷん」も、10物質が指定されているなかで、どの添加物が使用されているのか、表示からはわかりません。

 さらに、添加物と医薬品との相互作用についての警告表示はありません。黄色4号や5号などのアゾ系色素には、小児多動性症状発症の可能性が指摘されており、欧州では警告表示を付けて販売されている食品もあります。最近日本でも甘味料成分についてアレルギー症状の発症例が報道されました。表示の見直しが必要とされています。

 私たちは、食品添加物について現在の「一括名」「簡略名」を廃止し、物質名記載を基本にすることなどを要求しています。

(つづく)
(月1回掲載)

(新聞「農民」2013.6.10付)
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2013年6月

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