「農民」記事データベース20130610-1072-02

新たな共同の広がりに確信

TPP撤回
いまがんばりどき

関連/走る電車に向けて宣伝


全国食健連が第24回総会

 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)は5月26日、都内で第24回総会を開きました。

 全農協労連の齋藤裕委員長が「全国の取り組みや運動の前進面、課題を大いに交流しよう」と主催者あいさつ。全国食健連の坂口正明事務局長が報告しました。

 この1年間を振り返り、TPP参加反対の取り組みのなかで、中央をはじめ全国各地で、これまでにない新たな共同の発展を勝ち取ってきた点を強調。草の根の活動や学習・宣伝行動も、全国32万部のリーフレットを活用して「多彩に取り組まれた」と述べました。

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各地のとりくみを交流した全国食健連の総会

 今年度の運動に求められる課題として、TPP反対運動の強化を軸に進めていくことを提起。共同を広げるためにも、「農業・食糧政策の転換を迫る運動」と「安全な国産農畜水産物の生産、加工、流通、消費の拡大」を両輪の活動として位置づける必要性を呼びかけました。

 6月議会での意見書の採択を求める運動や、官邸への「参加撤回を求める」はがきの集中など、具体的な取り組み方針を提起し、今年は秋のグリーンウエーブを9月から前倒しして進めることを確認しました。

 その他、憲法改悪反対、原発ゼロ、消費税増税反対の諸要求実現と結んだ活動を呼びかけました。

 「『攻めの農林水産業』とは何か」のテーマで、愛媛県食健連会長の村田武愛媛大学教授が特別講演。TPPが企業的農業者やアグリビジネスに活躍の機会を与えている点を指摘し、農水省が「攻めの農林水産業推進本部」を設置したことについて、「TPPによる基幹的農業の後退が避けられないことを前提にしている」と述べました。

 結局、「攻めの農林水産業」とは、「農業生産者・農協で担われる農業を解体し、食品関連産業、大規模量販店主導の食産業(アグリビジネス)に再編しようするものだ」と批判しました。

 創意工夫生かし取り組み広く

 討論では、とくにTPPの問題で各地で広がっている創意工夫に満ちた、意気高い取り組みが報告されました。

 工夫した宣伝では、埼玉が「カエルの着ぐるみにふんしたTPP参加反対の大宮での駅頭宣伝が注目を浴びたほか、県内の各駅頭でも宣伝を広げている」と発言。岩手では、ストリートミーティングでシール投票を行い、対話がはずんでいます。長野では、県内各地で開いたTPP反対の学習会が幅広い団体を結集して成功しています。

 「参加反対のポスター」(富山)、「意見広告ポスター」(新潟)などマスメディアを利用し、視覚に訴える取り組みも報告されました。

 他団体との共同も広がり、山形では、旧社会党の組織との共闘を築いています。

 公約違反を許さない取り組みでは、岩手や青森で国会議員や参院選候補者へのアンケート、「政策を聞く会」などを行い、兵庫は地元国会議員の事務所訪問を実施しています。

 そのほか、愛媛では、伊方原発に反対する運動が、大阪では、橋下市政を追及する取り組みが盛り上がっています。

 坂口事務局長は最後に、「TPP参加を撤回させる運動はいまががんばりどき。国会との連携を深めて大いに取り組みたい」と結びました。

 日本共産党の田村智子参院議員が来賓あいさつをしました。


走る電車に向けて宣伝

食農大阪府民会議

ストップ!TPPの大パネル

 食農大阪府民会議は5月29日朝、淀川の河川敷堤防(大阪市)から、京都・神戸・大阪北部と梅田間を1分おきに走る満員の阪急電車に向かって、「ストップ!TPP」の1メートル大のパネルを掲げて宣伝しました。

 梅雨入り直後の曇り空で電車にはブラインドもなく、手を振る人もあり宣伝効果は抜群。参加者からは「ユニークな宣伝で楽しかった。次はもっと派手にやりたい」という声がでていました。

(大阪農民連 原弘行)

(新聞「農民」2013.6.10付)
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2013年6月

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