農民連会員の
米検査員研修会
検査に必要な「標準品」の見本作製
経験者の説明聞けて納得
お米などの検査が民営化され、100人を超す農民連会員が検査業務に携わっています。この検査の現場の「物差し」となるのが、国が作製する「検査標準品」です。
しかし、農水省の組織改変・定員削減などのもとで、多くのところで現在は検査数量・検査員の人数に関わりなく登録検査機関に1セットしか配布されなくなっています。
登録検査機関内で1日に数カ所、同じ時間から検査を余儀なくされた場合、検査標準品がないなかでの検査も想定されます。このため、必要に応じて「標準品」の「見本品」を作製し、農水省の確認を受け、活用することができることになっています。
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ふるいわけした米をさらにピンセットで選別する参加者 |
そこで、農民連ふるさとネットワークでは見本品作製の準備を進めていた近畿のみなさんと一緒に研修会参加を全国に呼びかけ、研修会を4月20日、京都産直センターで開催しました。
近県や山口県、遠くは沖縄県から17人が参加、大阪の佐保庚生さんや京都の東仲雄さんなど旧食糧事務所時代から検査の指導的立場の方々から講習を受けました。
米を直径35センチほどの大きな縦目ふるいで2・1ミリ上、2・0ミリ、1・9ミリ、1・8ミリ、1・8ミリ以下の5皿を15秒間で30回振るところから経験し、それぞれのふるいに残った米を整粒、青未熟粒、乳白・心白粒、その他未熟粒、死米など、ピンセットを使って1粒1粒選別していきました。
大阪産直センターの谷田努事務局長は「普段こういう機会はないのでとても充実した研修会でした。乳白や青未熟など判断に迷うことがありますが、現物を前に先輩検査員の説明が聞けるので納得できます。もう少し時間があれば普段の悩みや疑問も交流できたと思います」と話していました。
今回作製した見本品は各農政局の担当者に依頼して、検査現場で代替使用が可能か確認を受けることにしています。
(農民連ふるさとネットワーク 森谷精)
(新聞「農民」2013.5.27付)
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