「農民」記事データベース20130527-1070-03

緊急学習会

TPPは秘密交渉!

日常的な情報交換を


世論と政治の流れ変えよう

 アジア太平洋資料センター(PARC)はTPPペルー交渉(リマ)を目前に控えた5月15日、東京・文京区民センターで、「秘密交渉の実態を徹底分析! グローバルな運動とつながり、TPPを止めよう!」緊急勉強会を開きました。

 3氏が報告しました。ペルーに派遣されるPARCの内田聖子事務局長は、3月のシンガポール交渉にも参加した経験を紹介。交渉自体が秘密裏に行われ、そのテキストを見られるのは、アメリカの一部の国会議員やUSTR(アメリカ通商代表部)のアドバイザー(企業や業界団体のトップ、元官僚など)に限られていることを述べました。

 また、「シンガポール交渉では、多国籍企業の“商談”の場と化し、日常的にロビイングを行っていた」と述べ、各国交渉官にロビー活動をする多国籍企業集団として、米国研究製薬工業協会、米国商工会議所などの名前をあげました。

 さらに、TPPを葬り去るための情報戦を繰り広げる国際NGOの役割にふれ、交渉官や利害関係人に接触し情報を得るなど、途上国政府・NGO、先進国NGOなどが連携し日常的な情報交換をしていく必要性を強調しました。

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討論にのぞむ(右から)内田、首藤、坂口の各氏

 「TPPを考える国民会議」の首藤信彦・前衆院議員は、4月に行った訪米調査の結果を報告。アメリカ側は、「農業はもはや結論の出たテーマで、TPP議論の対象ではない」との考えで、「自民党の6項目堅守要求や、衆参両院による重要5品目の関税撤廃除外を求める決議については誰も知らないことがわかった」と語りました。

 日本の農産物のセンシティビティ(重要品目)の取り扱いについても、「各国ともセンシティビティはあるが、関税撤廃の例外はない」という認識であること、日米事前協議で大幅に譲歩した自動車分野の取り扱いについても、アメリカの関係者は「日本にセンシティビティがあっても、アメリカの工業製品にはない。オープンにすべきは日本の市場である」など一様に不満を表明していたことを紹介しました。

 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)の坂口正明事務局長は、「安倍首相の参加表明後も、交渉参加反対の声と運動は衰えていない。TPPのさまざまな分野への危険性もあって、多様な団体・個人が反対し、お互いの連携も進んでいる」と指摘。TPPの危険性が明らかになり、安倍首相の交渉力のなさ、詐欺的な手法が際立ってくるなかで、こうした条件を生かし、各地で学習や宣伝、目に見える社会的なアピールを行い、参院選に向けて「TPP推進議員はいらない」の世論を作り出すことが、世論と政治の流れを変えることになると強調しました。

(新聞「農民」2013.5.27付)
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2013年5月

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