「農民」記事データベース20130520-1069-09

本の紹介

玄間太郎著
起(た)たんかね、おまんた
―天明越後柿崎一揆―


生きるためにたたかった
百姓たちの勇姿を描く

 わずかな史料で史実掘り起こし

画像 江戸中期、越後柿崎(新潟県)で起こった百姓一揆「柿崎騒動」――郷里を同じくする筆者が、わずかな史料をもとに史実を掘り起こし、生きるためにたたかった百姓たちの勇姿を小説に仕立てました。

 東日本大震災から2年あまり。津波による田畑の被害はもちろんのこと、原発事故による作物の放射能汚染、震災被害に乗じるかのような政府のTPP参加表明と、日本の農業は大きな危機に立たされています。

 田畑を耕し、生きる糧を作り出す農民が、なぜこんなにないがしろにされるのか。21世紀の日本の農業を守るために、長いあいだ保守政治を支えてきた農民たちも立ち上がりはじめました。

 一人ひとりの力は小さくとも、団結して力をあわせれば現状を変えることができるはずという思いは、今も昔も同じでしょう。

 「今に民、百姓の新しい世の中が必ずくる。どんなに苦しくとも望みを捨てずに前へ進もう」。一揆に加わった百姓たちの言葉が、230年の時を超えて私たちを励ましてくれる一冊です。

(1400円+税)
注文は、最寄りの書店または本の泉社 TEL03(5800)8494。

(新聞「農民」2013.5.20付)
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2013年5月

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