BSE対策
国産牛の全頭検査
後退させるな
食健連が厚労省に申し入れ
アメリカを含む4カ国からの牛肉の輸入規制を30カ月齢にするなど、BSE対策の緩和が2月から(国内措置は4月から)始まりましたが、食品安全委員会ではさらに30カ月齢超にする検討が進められています。4月3日には同委員会のプリオン専門調査会が国内の検査対象月齢に焦点を絞って、「48カ月齢超に引き上げたとしても、人への健康影響は無視できると判断した」との評価をまとめており、国民からの意見募集(パブリックコメント)をした後、食品安全委員会として正式な答申が出される予定になっています。
ところが厚生労働省は、意見募集中であるはずの4月19日、都道府県知事などに対し、国産牛のBSEの全頭検査をいっせいに見直すよう依頼する通知を出しました。48カ月齢以下は検査しないとなると、日本でと畜される牛の大部分が検査されないことになり、現在国庫負担で行われている20カ月齢超の検査の補助金も大幅削減されることになります。
全国食健連は5月9日、この通知を撤回するよう、厚生労働省に申し入れました。参加者からは「正式な答申も出されていないのに、なぜ厚労省がこのような通知を出すのか」という声があがりましたが、厚労省は「7月施行を目指しており、手続き上は問題ない。正式答申がプリオン専門調査会の評価から変わった場合は、再度考える」との一点張り。食健連の「なぜそんなに緩和を急ぐのか。TPP交渉との歩調合わせではないか」という追及にも、「TPP交渉はこの措置には関係ない」との回答に終始しました。
30カ月齢超の規制緩和は、輸入牛肉に対しても検討が進められています。一方、アメリカはこれまで再三にわたって輸入牛肉の規制「撤廃」を要求してきており、ますます緩和反対の国民的運動が求められています。
(新聞「農民」2013.5.20付)
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