「農民」記事データベース20130506-1068-19

ふくしまオルガン堂
下北沢(東京)オープン

東京と福島を結ぶ
希望のカフェ


故郷の味を楽しめて
福島の生の声聞ける

 福島を応援し、都市と農村を結ぶ希望のカフェが都内にオープンしました。その名も「コミュニティ&オーガニックカフェ・ふくしまオルガン堂下北沢」。東京で福島にじかに触れることができる空間です。

 「ふくしま定食」

 店名の「オルガン」には、有機を意味するオーガニックにかけて、対話・交流を奏でるという願いが込められています。

 「食材はすべて国産で、できるだけ福島産を使っています。ここに来れば、福島の農産物を心ゆくまで楽しめます。野菜たっぷり、日替わりの『ふくしま定食』で郷土食の味覚に触れてください」と呼びかけるのは、店長の阿部直実さん。

 阿部さんのほかは、交替で調理したり、メニューを提供したりするボランティアのスタッフで運営されています。時折、福島の農家のお母ちゃんが調理を手伝ってくれます。地酒、地ビール、有機人参ジュース、桑の葉茶…。飲み物も福島にこだわっています。

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「オルガン堂」のスタッフ。左から2人目が阿部店長。右端が高橋さん

 店を運営しているのが「特定非営利活動法人・福島県有機農業ネットワーク」。東京事務所の高橋久夫さんは、「農薬・化学肥料を使わず、土づくりにこだわっているのが有機農産物。味の違いを堪能してほしい。さまざまな生き物が共生する自然の循環を大事にしましょうという願いが込められているのです」とアピールします。

 食事に来ていた植木承子さん(横浜市)は、「放射能検査もちゃんとしているし、安心して食べられます。食材が豊富で、何よりも有機農産物はおいしい」と笑顔で話します。「来店は今日で3回目」と話すのは、東京都国立市に住む遠藤良子さん。「気軽に利用できます。福島の生の声をそのまま聞けて、まるで福島にいるみたい。福島のことを発信し、東京と結ぶ場所として、これからも発展してほしい」と期待を語ります。

 避難者どうしも

 店内では、飲食のほか、旬の野菜や果物、米、加工品などが並べられ、購入もできます。福島へのツアーの紹介も行っています。

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福島の農産物も並んでいます

 店長の阿部さんは、「東京と福島を結ぶのがこのカフェの役割です。福島に関連するイベントや小さな集会、シンポジウムなどを開く場として大いに利用してください。避難者同士が故郷の味を楽しみながら交流する場にもしていきたい」と夢を託していました。

 営業時間 正午〜午後6時(それ以降は要相談)。月曜・火曜日は休業。「ふくしま定食」(800円)は15食限定(予約優先)
 場所 〈電車〉小田急線・京王井の頭線「下北沢」南口から徒歩12分
 〈バス〉渋谷駅から約15分「代沢小学校」下車すぐ
 連絡先 TEL03(3411)7205 Eメールorgan@farm-n.jp


気軽に福島の物買って交流も

 オルガン堂に出荷している菅野瑞穂さん(農民連青年部幹事)=二本松市=

 今はホウレン草を提供しています。気軽に福島のものを買ったり、交流したりする場になってほしい。福島では、農業体験プログラムなどのイベントを用意して待っています。多くの人に福島に足を運んでいただき、放射能への正しい理解をもってほしいと思います。

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菅野瑞穂さん(左前)
(新聞「農民」2013.5.6付)
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2013年5月

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