食の安全・監視市民委員会
国際シンポ
食品表示を消費者のものに
韓国・欧州の先進例を学ぶ
今国会で新法案の成立めざす
欧州や韓国の経験に学び新食品表示法を消費者のためのものにしようと、東京都内で4月20日、シンポジウムが開かれ110人が参加しました。
市民団体の「食の安全・監視市民委員会」が主催したもの。政府は、食品衛生法など3つの法律で規定されていた食品の原材料や添加物、栄養成分などの表示方法を統一する「食品表示法案」を今国会に上程。会期内の成立を目指しています。
シンポでは、スウェーデンで食品安全を守る活動をしているアキコ・フリッドさんが、原産地や遺伝子組み換えなど厳格な食品表示を義務付け、今後さらに強化しようとしている欧州連合(EU)域内の事情を紹介。とりわけ、食の安全を大本で守る取り組みとして、スウェーデンで国産大豆を復活させた取り組みを例に挙げ、「食料自給率をあげることが大事だ」と訴えました。
韓国の行政機関「食品安全情報局」のムン・ウンスク院長は、米国産牛肉の輸入再開に対する反対運動など食品の安全を守る市民運動の盛り上がりを反映して、朴槿恵(パク・クネ)大統領も「食の安全を守る」ことを主要課題に挙げざるを得なくなっていると説明。消費者は事業者と政府に対して食品の安全と正しい表示について問い続け、間違ったものについては正していかなければならないと述べました。
佐賀大学の岩本諭副学長は、新食品表示法について、単なる3法の一元化ではなく、「初めて日本の消費者のための食品表示法」が成立し、「日本の食品(の内容)が見えるようになり、日本の食生活、食品表示、食品行政の水準が上がるいい機会だ」と指摘。消費者の権利を守る法律づくりを、消費者、国会、行政、企業が共同で取り組むことが大事だとの考えを示しました。
(新聞「農民」2013.5.6付)
|