「農民」記事データベース20130429-1067-11

旬の味


 一夜で雪をとかすと伝えられる清明(二十四節気)を過ぎても雪が消えず、種まきが近づくというのにやきもきしてきた▼それでも春は確実にやってきた。ここ1週間で、白いほ場に畦畔(けいはん)が現れ、黒々と大地が姿を出した。自然の力は偉大なものだ。農耕の心をグイと前に進める一瞬である▼この時季、当地方の旬の味は何といっても「ヒロッコ(ノビル)」と「バッケ(フキノトウ)」だ。半年間、雪の下で芽を伸ばす生命力はすごい。料理方法はさまざまあるが、酢みそあえ、天ぷら、バッケみそにするとよい。ご飯が進み、お酒の友にもってこいだ▼この一品は、長い冬をくぐり抜けた体をほぐし、春の息吹を染み込ませる効果が抜群で、自然からの贈り物である。これを食べると不思議に元気になる▼春は芽のもの、夏は葉もの、秋は実、冬は根菜を基本にした食生活は先人の知恵であり、自然の理にかなったものとされ、健康の源でもある。身土不二、地産地消の大切さを今一度考えたい。健康は何よりの財産だ。

(長)

(新聞「農民」2013.4.29付)
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2013年4月

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