山形・庄内地方
風物詩
湯田川温泉(鶴岡)の
種もみ“芽だし”ピーク
山形県庄内地方の春の風物詩、湯田川温泉(鶴岡市)での種もみの「芽出し」(お湯に浸して発芽させる作業)がピークを迎えています。先日、わが家も種まきの日程に合わせて、種もみを届けてきました。
温泉に浸すと芽ぞろいがいい
湯田川温泉では、江戸時代から湧出量豊かな温泉が芽出し作業に使われていて、現在でも庄内地方の農家の多くがここを利用しているほか、遠くは新潟県の北部や秋田県などからも種もみが持ち込まれています。「芽出し」は、農家にとっては温度管理が難しく、気を使う作業ですが、「湯田川温泉ですると、芽ぞろいが良い」と、たいへん喜ばれています。
作業は、30から32度の温泉が引かれた水槽に、種もみの詰まった袋を12時間ほど浸した後、水路に渡した板の上でコモをかけて12時間ほど蒸らし、発芽を促進させます。
芽出し事業は地元の鶴岡市農協が行っていますが、作業は地元集落の農家が臨時作業員となって担っています。4月初めごろから始まり、田植えの早い平野部から山をかけのぼるように順々に種もみが持ち込まれ、4月いっぱいまで作業が続きます。
(山形・庄内産直センター 菅井巌)
(新聞「農民」2013.4.29付)
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