TPP交渉参加、市場の移転…
生産者・小売店の破滅を加速
東中労が農水省交渉
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全労連・全国一般労働組合東京地方本部の東京中央市場労働組合(東中労)は4月11日、TPP交渉参加と市場の活性化問題で農水省と交渉しました。
はじめに、東中労の羽根川信委員長が「きょうの交渉は、春闘勝利をめざして全国で統一した行動が行われているものの一環です。TPPも築地移転もどちらも新しい局面を迎えている。忌たんなく意見交換しましょう」と述べました。
TPP問題では、安倍首相による交渉参加表明に強く抗議し、絶対に参加しないよう要請。とくに「食料自給率は39%のまま。今まででさえ目標の50%に届かないのに、TPPに参加してどうやって自給率を上げるのか」と追及。農水省は「自給率の目標は維持し続ける」と述べるだけで、具体的な対策を示せませんでした。
東京都が進める築地市場の豊洲への移転計画については、農水省が都に求める「市場関係者や消費者等の理解」を得ておらず、移転先の土壌汚染問題でも虚偽の説明や隠ぺいを繰り返してきたほか、「食の安全性や信頼が確保されるよう科学的見地に基づき万全の対策」を講じず、「消費者等に対して十分な説明」もないと指摘しました。
これらの問題について、東中労が「農水省は、必要な改善措置をとるよう都に勧告すべき立場にある」と求めたのに対し、農水省は「都が決めること」の一点張り。東中労は「許認可権は農水省にあるのだから、現状をしっかり把握して必要な指導をせよ」と要求しました。
さらに、卸売市場の流通について、政府主導で進められた構造改革・規制緩和政策に基づく現行卸売市場法が、生産者に輸入品との価格競争を強要し、消費地の中小・零細小売店の経営を破壊してきた点を強調。「TPPへの参加と市場の移転は、こうした動きをさらに加速させる。どちらも断念し、現行制度を改め、卸売市場の本来の業務である価格形成機能が十分に発揮できるような市場流通を実現すべきだ」と指摘しました。
組合員宅の軒先に赤い小旗はためく
TPP参加断固反対
宮城県黒川郡の4町村で構成するあさひな農協(組合員6023人、準組合員1587人)は、全農家に、「TPP交渉参加断固反対」の小旗を配布しています。
組合員の意識高揚をはかりながら、管内農協が一丸となりTPP参加を阻止しようと取り組んでいます。
TPPは、地域の基幹産業である農業だけでなく、瑞穂の国として守り継がれてきた農村文化をもことごとく破壊するものです。4月半ばになっても桜の花も開かない東北の遅い春のなかで、軒先に立っている断固反対の赤い小旗が、交通安全の緑の旗とともに、ひときわ目立ち、春風にはためいています。
(宮城農民連大郷支部 千葉勇治)
(新聞「農民」2013.4.22付)
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