「農民」記事データベース20130422-1066-02

TPP

日本が事前交渉に合意

アメリカの要求“丸のみ”

関連/総会成功へ広くカンパ訴え


 政府は4月12日、日本のTPP参加に向けたアメリカとの事前交渉が合意したと発表しました。

 合意では、アメリカ側が求めていた課題に日本が全面的に譲歩する一方、日本が求める農産物への“配慮”はまったく黙殺されました。

 とくに自動車分野で、アメリカの関税撤廃を「最も長い段階的な引き下げ期間によって撤廃」するとし、事実上の関税の維持を容認しました。

 また、アメリカが問題視していた自動車の流通制度や安全基準、補助金制度などについても、TPPと並行して日米間で別に交渉することになりました。さらに、アメリカが求める保険や食の安全基準などといった非関税措置の課題についても、TPP交渉と並行して日米間で取り組むとしています。これは、TPP交渉とは別の、事実上「日米FTA」ともいうべきものです。

 他方、アメリカ側の発表文書は農産物が重要品目であることにまったく触れず、「日本は全品目を交渉対象にするだろう」と発表しています。

 日本政府は、BSE対策のアメリカ産牛肉の輸入規制を20カ月齢以下から30カ月齢以下へと緩和し、さらに48カ月齢以下にすることを打ち出しています。「TPP交渉に参加したいなら入場料を払え」というアメリカに屈し、対米追従の弱腰姿勢をあらわにしました。

 安倍首相は交渉によって「守るべきものは守る」と主張してきましたが、事前協議で国益を投げ捨てておいて、本交渉で「守るべきもの」が守れるはずがありません。

 政府は「TPP交渉参加先にありき」の姿勢をただちに改め、参加表明を撤回すべきです。たたかいはこれから。引き続き、TPP交渉参加の危険性を訴え、国民的な共同をさらに広げ、断固阻止に向けて運動を強化する必要があります。


ビア・カンペシーナ 6月国際総会

総会成功へ広くカンパ訴え

 「新自由主義に反対し、食糧主権と母なる地球を守ろう」―。国際的農民組織ビア・カンペシーナの第6回国際総会が6月、インドネシアのジャカルタで開かれます。総会を成功させるため、ビア・カンペシーナはカンパを呼びかけています。

 東南・東アジア地域で開かれる国際総会は初めて。この地域から100人の参加を予定し、農民連も代表団を送ります。

 インドネシアや欧州の閣僚、国連食糧農業機関(FAO)の代表も参加する見込みです。発言者には、国連の場で「食料への権利」確立に力を尽くすオリビエ・デシュッター国連食料への権利特別報告者も含まれます。

 総会では、ビア・カンペシーナの20年の歴史を振り返るとともに、21世紀のビジョンを打ち立てます。食糧・環境・経済危機が叫ばれるさなかの会議―。ビジョンは、危機打開には、農民による農業こそが対案であると力強く示すものとなります。環太平洋連携協定(TPP)や自由貿易協定(FTA)に反対する国際連帯を強める絶好の機会でもあります。

 代表団おくる農民連も訴え

 農民連は1月の第20回大会で代表団の派遣・滞在費、国際連帯強化のため150万円を目標にカンパを集めることを確認しました。すでにカンパをいただいた方に心から感謝するとともに、改めてカンパ活動の強化を訴えます。

 国際総会は6月9日から12日まで。これに先立ち、6〜7日に女性総会、8〜9日に青年総会がそれぞれ開かれます。13日には農村を訪問し、現地の農民と交流します。

 《振込先》 ゆうちょ銀行 00100―2―103051 (他の金融機関からは、ゆうちょ銀行019店 当座0103051) 口座名義 農民運動全国連合会

(新聞「農民」2013.4.22付)
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2013年4月

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