「農民」記事データベース20130422-1066-01

TPP参加交渉
即時脱退を

大学教員有志が国会内会見


国民各層・各団体と連帯、運動続ける

 よびかけに850人が賛同

 全国の大学教員有志がTPP参加交渉からの脱退を求めて立ち上がりました。大学教員17人が呼びかけ人になって「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」が3月28日に発足し、4月10日に国会内で記者会見を行いました。

 会見に参加した呼びかけ人は、伊藤誠・東京大学名誉教授、大西広・慶應義塾大学教授、金子勝・慶應義塾大学教授、鈴木宜弘・東京大学大学院教授、醍醐聰・東京大学名誉教授、萩原伸次郎・横浜国立大学名誉教授の6人です。

 会見では、全国に賛同を呼びかけたところ、会見当日までに850人から署名とメッセージが寄せられたことが報告されました。(4月11日現在878人賛同)

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会見する(左から)伊藤、大西、金子、鈴木、萩原、醍醐の各氏

 また、会として9日に、安倍首相と農水省あてに、「交渉への参加表明を撤回し、事前交渉をすみやかに中止すること」を求める要望書を、寄せられたメッセージを添えて提出したことが紹介されました。

 醍醐教授は、「経済学をはじめ、自然科学、政治学、法学など各分野にわたる人々から賛同が寄せられたことに驚いた。添えられたメッセージもTPPの本質をつくものが多く、教員も真剣に考えていることがわかった。TPPの中身がまだ国民には十分に知らされておらず、各分野の研究を通じて危険性を訴えていきたい」と述べました。

 会見に先立ち、各界関係者との意見交換会も行われました。意見交換に参加したのは、小林寛史・全国農業協同組合中央会農政部長、内田聖子・アジア太平洋資料センター事務局長、岩月浩二・TPPを考える国民会議世話人(弁護士)、山浦康明・日本消費者連盟共同代表の4氏です。

 大学教員の反対大きな励みに

 そのなかで、「参加表明後、反対運動はさらに盛り上がっている。ここで大学教員のみなさんが声をあげてくれたことは、運動に大きな励みになる」(内田さん)、「推進派の議論を批判する論陣を張り、運動を広げるうえで、学生にもTPPの危険性を強調してほしい」(山浦さん)など、会への期待が語られました。

 これに対して教員側からは、「推進派との公開討論の場をもっと設けるとともに、政府の影響試算についての批判、暴露をしていきたい」(金子教授)、「秘密情報が多いなかで、不正確な情報をわれわれが正すことが必要だ」(鈴木教授)などの意見が出されました。

 最後に、「私たちは今後、国民各層、各団体と連帯して日本政府にTPP交渉から脱退するよう求める運動を続ける意思を共有していることをお伝えします」とする要望書の一文を強調して、会見は終了しました。

 呼びかけ人17人と賛同者名簿、メッセージは会のホームページ(http://atpp.cocolog-nifty.com/)で閲覧できます。

(新聞「農民」2013.4.22付)
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2013年4月

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