GM食品輸入増・添加物規制緩和など食の安全脅かすTPP
沖縄
遺伝子組み換え(GM)パパイアの流通が問題になった沖縄県で、TPPに反対し、食の問題を考える学習会が開かれました。 |
天笠さん(立っている人)の講演に熱心に耳を傾ける参加者 |
大城一雄さんが司会を務め、仲松さんが「TPPに参加することで、GM食品の輸入が増えるのではないかと心配です。こうしたなかで天笠さんのお話を聞けることを喜んでいます」と開会あいさつをしました。
「食の世界でいま何が起きているのか―輸入食品・TPPそして遺伝子組み換え食品」のテーマで講演した天笠さん。初めに、ミートホープ事件や中国産冷凍ギョーザ事件など、グローバル化と安値合戦で食の安全が次々と脅かされてきた実例を紹介しました。
次に、TPPの事前交渉で、食品添加物の追加承認やアメリカ産牛肉輸入の条件緩和が求められ、さらに食品表示の撤廃や残留農薬規制の緩和への圧力が強まるおそれがあることを強調しました。
さらに、農薬汚染や食品添加物など輸入食品をめぐる問題点を指摘し、「なかでもGM食品・作物は、生物多様性の破壊と多国籍企業による種子の独占と食糧支配をもたらし、食の安全をも脅かす」と述べました。
質疑応答では、「除草剤ラウンドアップの表示には『無害』とあるがどうなのか」「海外から野菜や果物が防腐剤をかけられて30日もかけて輸入されているが大丈夫なのか」「TPPに参加することで、GM作物の栽培を規制する自治体の条例や、野菜、果物のブランド化ができなくなるのではないか」などの質問や不安の声が出されました。
最後に、原国さんが「今までGMの問題にはあまり関心を持ってこなかったが、放射能と同じように食の安全上問題があることがわかりました。もっと大勢の人に知らせていく必要があります」と閉会あいさつをしました。
2010年に沖縄でGMパパイアの流通が見つかり、県内のパパイア農家は、GMが検出された品種をすべて伐採し、代替の苗が支給されました。しかし風評被害や全伐採による損失への補償は一切ありませんでした。30年以上パパイアをつくり、損害を被った浩明さんは、自ら上京し、農水省と交渉するなど、GM問題の解決に向けて先頭に立ってきました。
パパイアハウスの中で、浩明さんは、この間のGMパパイア問題の経過を説明したほか、「昨年の台風により外で栽培していたパパイアは全滅した。また、3回ほど盗難にあうなどの被害も受けた」と栽培の苦労を語りました。
パパイア農家の大城浩明さん(左)が栽培の喜びや苦労を語りました |
最後に「消費者の健康を考えて無農薬栽培にこだわりたい。栽培・販売方法の工夫を重ね、農家がもうかるしくみを考えていきたい」と話しました。
さらに参加者は、葉物野菜の新品種、オキダイナなどのほ場にも足を運びました。
[2013年4月]
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