亡国・亡農のTPP交渉参加
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県内の農産物産出額は920億円。そのうち甘味資源作物(サトウキビ)は197億円で、基幹作物です。サトウキビは、強風で茎が折れても何とか収穫できる、12月後半から3月が収穫期であるなど、台風に強く沖縄に適した作物です。それにとって代わる作物はないといってもいいほどです。
それでも昨年は、相次ぐ台風の襲来により、サトウキビは歴史的な打撃を受けました。「葉が台風で飛ばされてしまうと、再び生えてきた葉に栄養分が取られてしまい、茎に栄養分がいかなくなる。そうなると糖度が下がってしまう」。細くなったサトウキビの茎を手に玉城さんはこう説明します。
糖度は、昨年が平均14・0度だったのに対し、今年は2月下旬までの平均が13・3度でマイナス0・7度です。生産量も糖度も下がり、農家の手取りは確実に減っています。
台風でダメージを受けたサトウキビを手にする玉城さん |
砂糖は、加工製品で外国産と品質に差がなく、差別化ができません。TPPで、沖縄本島全体のサトウキビの耕地面積をわずか10人程度で耕作し、価格も10分の1程度のオーストラリアからの輸入が増えたら、県内農家は太刀打ちできません。
砂糖は現在、328%という高関税率で、外国産の輸入から守られています。砂糖は価格調整制度が実施されていて、海外から輸入する砂糖から関税として調整金をとって、それを国内農家への交付金にあてています。この制度がサトウキビ産業を支えています。
玉城さんの場合は、トンあたり1万6000円の交付金を受けています。昨年のサトウキビの収入は110万円でしたが、今年は40万円減の70万円でした。交付金がなくなれば、大幅減収となります。
「参加表明によって、農家が生産意欲をなくしてしまうことが心配。がんばって作っている人が農地を手放せば、ますます耕作放棄地が増えるだろう。美(ちゅ)ら島、沖縄のシンボル、サトウキビ畑のきれいな景観が失われ、観光にも影響がでるだろう」。危機感を募らせる玉城さんはこう断言します。
「いまやるべきなのは、TPP参加ではなく、がんばっている農家が笑顔で農業ができる農政を実現することだ」
[2013年4月]
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