「農民」記事データベース20130408-1064-06

飼料米を活かす日本型
循環畜産推進を語り合う

報告・討論を聞いて 石黒昌孝〈農民連本部〉

関連/T(止めよう)P(ペテン)P(プロジェクト)「市民の会」


水田活用の飼料米生産こそ

 飼料米を活(い)かす日本型循環畜産推進交流集会が3月23日、東京大学弥生講堂・一条ホールで開かれ、全国から209人が参加しました。

画像
飼料用米の活用について語り合った交流集会

 自給率の向上に役に立っている

 石澤直人共同代表が主催者あいさつを行い、続いて飼料用米に取り組む各生協や農協などから報告がありました。主婦連合会の山根香織会長は「国民は安全が第一です」と強調しました。

 実際に飼料用米やWCS(ホール・クロップ・サイレージ)用稲の生産は増えており、消費者に喜ばれており、水田を守り自給率の向上に役立っていることが報告されました。

 面積も2009年に4129ヘクタールだったものが、12年には3万4525ヘクタールと8・36倍になっています。飼料用米や発酵粗飼料用稲は10アールあたり8万円の交付金ですが、農村や日本農業を守るためにはどうしても必要なものです。

 飼料用多収穫米ですが、豚、鶏などに投与しても、鶏卵は黄味の色が白くなる程度で、味はほとんど変わりません。国産で遺伝子組み換えでない、農薬のない日本の米を食べて育った家畜の肉です。

 記念講演は東大大学院の鈴木宣弘教授でした。安倍首相が公約を裏切り、TPP交渉参加を発表したことは断じて認めることはできません。

 主食米の所得と同額の補てんを

 日本の将来を考えれば水田のフル活用が必要です。米粉や飼料米などにも主食米の所得と同じ所得を補てんすべきです。窒素収支の改善も必要です。そのためには酪農、畜産が資源循環的に営まれることも重要です。

 アメリカの1%の人々の富の拡大にとってじゃまになる相互扶助制度や国民皆保険、共済、生協、農協、学校給食などを敵視するISD条項(企業が損害賠償を日本政府に要求する制度)は問題です。食料自給率の大幅低下を招き、食品の原産地表示がなくなります。アメリカは非関税障壁の撤廃を求めており、表示は廃止し、アメリカ産の表示をしないよう要求しています。

 1%の富裕層や企業の利益のために99%の大多数の人々を不幸にするTPP参加を断固阻止しましょう。交流会では、食糧の安全保障と地域コミュニティーを作るための飼料米生産の必要性などについて討論が続きました。


T(止めよう)
P(ペテン)
P(プロジェクト)
「市民の会」

こんな名前の「会」が前橋で学習会

 3月23日に前橋市のベイシア文化ホール会議室で、『サルでもわかるTPP』著者の安田美絵さんを招いた学習講演会が開かれ、生協会員ら80人の市民が「TPPでどうなる!? わたしたちの食と暮らし」をテーマに学び合いました。

 主催したのは、T(止めよう)P(ペテン)P(プロジェクト)市民の会で、農民連や生活クラブ生協など2月県議会へのTPP反対請願の提出で連携した団体やJAグループも協力しました。

 安田さんは、難解なTPPをわかりやすく語り、講演後には25人の出席者と懇親会を行い、草の根の市民運動の意義や悩み等も語り合いました。

 『サルでもわかるTPP』(25冊)やTPP反対の特製缶バッジ(50個)も完売しました。

(群馬県農民連 木村一彦)

(新聞「農民」2013.4.8付)
ライン

2013年4月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2013, 農民運動全国連合会