シリーズ
食品表示を考える
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主婦連事務局長 佐野真理子
実効性ある食品表示制度を
消費者問題は生活現場が起点です。格差社会が拡大するなか、課題は尽きません。
当然の権利
重大問題の一つが食品。放射性物質による食を通した内部被ばくの不安感も被災県を中心に全国にまん延しています。
食品は安全性が確保され、安心感が伴うことが必須条件です。人類は地域の風土に育まれたものしか食べてこなかった。現代は多様な食品が地球規模で店頭に並び、遺伝子組み換え食品など、食文化を経ない食品も食卓に上ります。それらの素性が正しく知らされることは、安全・安心を願う消費者の当然の権利です。
いたって単純
その権利を法制度として実現させる運動が「消費者が求める新食品表示制度導入」への取り組みです。
私たちの要求はいたって単純。偽りのない正しい表示を、わかりやすく表記することです。そのために「消費者の権利」を明記した法案制定を求め、すべての加工食品に原料原産地表示を、遺伝子組み換え食品の表示を少なくともEU(欧州連合)並みに、そして食品添加物の一括名・簡略名の廃止、さらに、期限表示、酒類表示なども消費者の目線から全面的に見直すこと、などを要求しています。
法改正を伴う
これら要求の実現はいくつかの法改正を伴います。とても消費者庁が予定する3法(食品衛生法、JAS法、健康増進法の一部)では済みません。私たちは国会への働きかけや、全国の消費者・市民・生産者団体に連携を訴え、実効性ある表示制度をつくろうと呼びかけています。
(新聞「農民」2013.3.11付)
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