大豆畑トラストが全国集会
在来野菜 作り続けよう
遺伝子組み換えでない大豆の生産を生産者と消費者が支える大豆畑トラスト運動の第15回全国集会が2月15日、都内で開かれ、生産者と市民ら100人が集いました。
昼食交流会では参加者が、おから、豆腐、納豆など大豆を食材にした珍しい料理を囲み、おなかを満たしました。
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おいしい大豆料理を堪能しました |
自給率回復の先がけトラスト運動を激励
午後からの講演会では、在来作物を守り伝える農家や料理する人々に焦点を当てたドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」監督の渡辺智史さんが報告。在来野菜を守っていくうえで、「自分たちが愛着をもって食べ続けていくことで郷土の誇りや感情を共有できる」と述べました。
交流会を主催した「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」の天笠啓祐代表は、遺伝子組み換え食品の現状と問題点を告発し、遺伝子組み換えナタネの自生調査で、大豆から遺伝子組み換えが検出されたことで、汚染が深刻になっている実態を述べました。
「日本の大豆生産の状況」について報告した提携米研究会の牧下圭貴さんは、一時2%台にまで落ち込んだ大豆自給率が徐々に上昇し、2011年には7%にまで回復したことを紹介。「トラスト運動は、自給率回復の先がけになった。遺伝子組み換えでない国産大豆が注目を浴び、PRするうえで大きな力になった」と激励しました。
各地の生産者が次々苦労・喜びを報告
生産者からのリレートークでは、各地の取り組みや、大豆生産の苦労、喜びが報告されました。
茨城県からは3人が発言。県南筑波農産センターの山口徹さんは、「放射能分析を実施していますが、風評で販売は厳しい。原発ゼロの運動を進めたい。同時に、耕作放棄地を利用して、太陽光発電の取り組みも行っています」と述べました。
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報告する茨城・県南筑波農産センターの山口さん |
秀明ナチュラルファーム足立(茨城)の岡田剛彦さんは、「豆腐屋から分けてもらった八郷在来大豆を15年ほど作り続けています。昨年は、雨が少なく、高温だったため、収穫量が少なくなりそうです」と語りました。
「市民の大豆食品勉強会」の代表は、「茨城在来青大豆で生産しています。野ウサギの被害で4分の3が壊滅。みそづくりは参加者が楽しみにしています」と報告しました。
(新聞「農民」2013.3.4付)
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