全国の農民連から
支援物資ドッサリ
宮城 石巻、東松島の仮設住宅で炊き出し
山形・庄内産直センター
長野・上伊那農民組合など
2月16、17の両日、宮城県の仮設住宅へ、宮城県農民連と全国の農民連の仲間で支援活動を行い、県内2カ所の仮設住宅で炊き出し、支援物資を届けました。
東日本大震災からまもなく2年。今なお厳しい避難生活を余儀なくされている石巻市の仮設住宅では、宮城県災対連の「第18回なんでも相談会」も行われました。
450世帯と復興へ心一つに
参加した山形県の庄内産直センターは震災以降、継続的に支援活動を行い、炊き出し25回を数えます。今回香川産直センターから取り寄せた讃岐うどんをゆでて提供。センターの専務、菅原司さんの「国産小麦百パーセント、本場の讃岐うどんをどうぞ!」の呼び声に、住人の輪ができます。
この日は日中の気温が零度前後で冷たい風が吹きつける一日でしたが、温かいうどんにみなさんの笑顔がこぼれました。長野県の上伊那農民組合からは竹上一彦さんを中心に3人が参加して、伝統の白毛餅米で餅つき。つきたての餅は、きめが細かく滑らかな舌触り、フワッとした食感で「こんなにおいしいお餅、初めて!」の声。きなこ餅やお汁粉などにして振る舞い、450世帯の方々と、被災地復興への思いを一つにしました。
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復興への願いを込めて餅つきをしました |
おいしい!
保存きく食品も本当にありがたい
近くの仮設住宅まで小分けして
翌17日は、東松島市の小規模な仮設住宅を訪問。自治会の方に聞くと「外から支援に来てもらったのは初めて」とのことです。前日に続いて上伊那農民組合の方々が仮設住宅の子どもたちと一緒に餅つき。
また青森・津軽農民組合のりんご、農民連の白石淳一会長のタマネギ(北海道)、千葉県農民連のニンジン、愛知・アツミ産直センターのブロッコリー、日本販売農業協同組合連合会(日販連)の菜花、静岡県農民連のみかん、上伊那農民組合の切り餅、宮城と奈良の農民連の米などを小分けにして、全戸と近隣の仮設住宅に届けると「青物や保存がきく食品は、ありがたい」と喜ばれました。
個人の漁師に全く支援こない
また、この日は農民連に大漁旗を寄贈してくれた土佐勝郎さんや大友貞夫さんたちも支援活動に駆けつけました。
被災者の方に話を聞くと、今年3月まで実施されている「医療費・介護保険利用料減免の制度」が4月以降、継続されるか不透明で「全額、自己負担になると思うと不安」、「私たちは家財を全て失い、高齢の人は仕事も収入も限られている。どうやって生きていけばいいのか」という悲痛な声が寄せられました。漁業を再開した漁師の方は「企業体の漁業者には支援があるが、個人の漁師には全くない。これでは再建できない」と語りました。
被災地の暮らしと仕事の現状は深刻で、待ったなしの状況だと痛切に感じます。復興支援の取り組みを、引き続き強めることが求められます。
(農民連ふるさとネットワーク 笠原尚)
(新聞「農民」2013.3.4付)
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