ビア・カンペシーナ東南・東アジア
地域女性会議に参加して
農民連女性部副部長 沖津 由子
農村から家父長制をなくし
女性自ら決められる社会に
私は1月下旬に台湾で開かれた国際的農民組織、ビア・カンペシーナの東南・東アジア地域女性会議に参加しました。
民主化活動家を惨殺
会議会場となった慈林(ちりん)には「台湾民主運動館」があり、会館の人が案内しながら台湾の民主化運動の歴史と、この慈林を建てるきっかけとなった林家一家惨殺事件について説明してくれました。
国民党政府は1979年、林義雄さんたち民主化運動家を強引に鎮圧し、多数を逮捕しました。この事件の審判が進められている期間中の1980年2月28日正午、林義雄さんの住宅で一家絶滅を企む殺害事件が起こりました。林義雄さんの母親と幼い双子の娘が惨殺され、双子の姉娘も重傷を負いました。
林家の家で、亡くなった双子の写真を見ていると、私の娘たちと重なって、怒りと悲しみでいっぱいになりました。いつも、どこでも、犠牲になるのは女性と子どもたちです。台湾民主運動館とその隣に建つ私たちの宿舎は、支援者の力で民主運動の拠点として、また学生の学習や交流の場として建てられました。
女性への暴力が今も
女性会議では、農民連からは東日本大震災の支援への感謝を伝え、この間の活動を報告しました。
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女性会議の参加者たち。後列左から3人目が沖津さん |
各国から多く出されていたのは、女性は、女性に対する暴力、貧困、気候変動、そのほか多くの不平等がもたらす惨状に大きな影響を受けているということでした。また、女性を抑圧している家父長制的体制や、男児を求めて女児を中絶する「選択的堕胎」も、いまだに多く残されています。
インドなどでは、結婚時の妻の持参金に不満をもった夫の家族が、妻を殺害するという「持参金殺害」の報告も絶えません。問題なのは、女性が性犯罪や暴力などにさらされていることだけでなく、相続権も制限されているなど、植民地時代の古い枠組みや法体系が残っていることです。
総会には女性を多く
農村社会から家父長制的体制をなくし、女性が自ら意思決定できる社会にしていくことが求められています。ビア・カンペシーナは総会参加者の半分を女性にすることを定めています。農村での女性の指導力と農村女性への支援を強化するために、「6月の総会に多くの女性を送り出そう」と誓い合いました。
(新聞「農民」2013.3.4付)
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