農のこころ丸山美沙夫
種袋振ればいのちの弾みけり 栗田 幸雄 俳誌『白魚火(しらおび)』から。「種物」は籾種以外の穀物・野菜・草花などの種子を言う。この句の「種袋」もそれらを入れたもので、「季語」の一つ。いま種物屋で選んでいるところだろう。種を蒔き育てる人の情感が見事に捉えられている「振ればいのち」と表現された中に、息づいて伝わってくる。待ち受ける地の匂う頃。
(新聞「農民」2013.3.4付)
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[2013年3月]
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