「農民」記事データベース20130304-1059-01

第24回農民連女性部総会

女性の力で農村に活力を!

関連/女性パワーさく裂した交流会

 農民連女性部は2月12、13の両日、静岡県熱海市で、第24回総会を開きました。北は青森県、南は鹿児島県から120人の女性たちが集い、熱く、元気に、楽しく、交流しました。


女性は太陽、全国に女性部を確立しよう

 今年の総会スローガンは、「しなやかな対応力、底力、女性の笑顔で農村に活力を!! 女性は太陽、全国に女性部を確立しよう」です。女性部長の久保田みき子さんが議案を提案し、「農民連が農村の多数者となるためには、女性が力を発揮することが決定的に重要。結成25周年を迎える来年までに、すべての都道府県連に女性部を確立し、農民連世帯会員の6割を目標に女性会員の登録を進めよう」と呼びかけました。

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 そのうえで、TPP参加阻止、原発ゼロと震災復興支援、種子を守る運動、平和憲法と民主主義を守る運動など11分野にわたって方針を提起しました。

 朝日新聞記者の伊藤千尋さんが「憲法と地球の恵みを活(い)かそう!原発も基地もない世界を」をテーマに、記念講演。伊藤さんは、国民投票によって、「使わない」と憲法に盛り込んだオーストリアや、地熱発電と水力発電で電気需要をすべてまかなっているアイスランドの事例などを紹介。また、原発も米軍基地もなくしたフィリピンや、憲法で米軍基地を追い出したエクアドルの経験に触れ、平和への願いを込めて折り鶴を折るという運動が世界に広がり、平和運動の力になっていることを紹介しました。

 自然エネルギーの模索が始まる

 討論では、自然エネルギー、TPP、原発損害賠償、税金や県女性部の結成など、多様な取り組みが報告されました。

 千葉県農民連の小島朋子さんは、4月から始まる多古町旬の味産直センターの『市民発電わたしのでんき』事業について報告し、「消費者に一口5万円の出資をしてもらい、精米所の屋根で太陽光発電する。消費者への収益還元は農産物でする。孫が生きる未来のためにと、80歳を超えても出資してくれる女性もいて、原発ゼロと自然エネルギーへの消費者の関心の高さを実感している」と述べました。

 福島県農民連の佐々木賀代子さんは、「原発事故から2年近くたち、自然環境の大切さを、いま身を持って痛感している。原発に頼らない社会に一歩でも近づくよう、福島県農民連でも太陽光発電や省エネ対策に取り組んでいる」と発言。

 野菜の「引き売り」を40数年続け、農民連を通して東電から損害賠償を勝ち取った福島県北農民連の佐藤益子さん(82)も発言しました。「長い間、“益子さんの野菜はおいしい”と喜ばれ、野菜作りは私の生きがい。それを原発事故で取り上げられ、本当に悔しい。農民連のみなさんとがんばっていきたい」と述べ、会場のお母さんたちも涙をぬぐいながら大きな拍手で応えました。

 就農する前に県職員として林業に携わっていたという千葉県の横田純子さんは、「木材は1960年に輸入自由化され、国内の林業はいま壊滅的な状況。TPP参加で農業も林業と同じように衰退してしまうと不安でならない。なんとしてもTPP参加を阻止しよう」と呼びかけました。

 地域の農民連で搾ったナタネ油を使って和食レストランを開店した岩手県女性部の伊東庚子さんは、「食料自給率の低下とともに、油をとりすぎるなど日本の食生活が激変している。TPP参加はさらに輸入農産物を増やし、食文化と食生活を危うくしてしまう」と訴えました。

 女性部ならでは楽しく多彩に

 女性部ならではの多彩で楽しい活動も各地から報告されました。昨年、県の女性部を再建し、お菓子作りやバス旅行などで楽しく活動していると報告した宮城県の菅原栄子さん。兵庫県の〓(※)本悦子さんは、「種子の展示会へのバス旅行の車中で総会もでき、会員も増えた」と、笑顔で発言しました。

 千葉の齋藤教子さんは「女性は強い者にも負けません。正しいことは正しいと言い切る力がある。女性こそ、農業委員に立候補しましょう!」と元気に訴えました。

 最後のまとめで部長の久保田みき子さんから、6月にインドネシアで開催されるビア・カンペシーナの女性総会に多くの女性代表を送り出すため、一口500円のカンパ活動に取り組むことが提案され、大きな拍手で承認されました。

※〓は、「いってんしんにゅう」の「辻」。


女性パワーさく裂した交流会

 12日夜には、女性部会総会恒例の交流会が開かれ、全国から100品目を超える自慢料理が大集合しました。

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 交流会は、秋田県女性部の佐々木冷子さんが艶(あで)やかな振り袖姿で「好きになった人」を熱唱して、スタート。手品が披露されたり、「お米大好き音頭」を輪になって踊ったりと、女性パワーがさく裂。最後に平和への願いを込めて「折鶴」を全員で心一つに合唱し、お開きとなりました。

(新聞「農民」2013.3.4付)
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2013年3月

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