農民連青年部総会2013
農民連青年部の第21回総会が2月9、10の両日、静岡県藤枝市で藤枝市農民組合の協力のもと開かれ、80人近くの若者が集いました。参加者は、パネルディスカッションや夜のレセプション、茶畑の見学を通して「農」について語り合い、交流しました。
農のススメ 農のおいしさパネルディスカッション
パネルディスカッションのテーマは、「農のススメ、農のおいしさ〜ハングリーな情熱」。農産物の生産、販売に携わる4人の若者が、それぞれの取り組みと動機、思いを報告し、その後、グループに分かれて話し合いました。全体討論では、藤枝市観光協会の渡村マイさんがコーディネーターを務めました。パネリスト4人の報告大要は次の通りです。 |
「地域でがんばるぞ!」と誓い合いました |
茶の修業をしながら、地域との関係が強くなり、「ここを離れたくない」と思うようになりました。また、「よそ者」である自分がお茶畑で働く姿を町の人々が見てくれていて地域から認められるようになりました。
いま必要なのは、農業を楽しんでいる姿を見せて目標とされるリーダー像になることです。そして、今の若い人や子どもたちが自分の職を考えたときに、選択肢のなかに「農業」という職種が普通にあがってほしい。
自分のオリジナルのスタイルを取り入れて、自分でアレンジして、自らの職業に誇りをもってほしい。
野菜のもっている力を引き出し、育ちやすい環境を整えるために無農薬で栽培しています。年間約50品目で、多品目栽培は、土をよくするうえで有効だからです。
「おいしい野菜を食べてもらいたい」と、旬なものを直接宅配で届けています。藤枝は消費者との距離も近いために、販売先は90%が市内。10種類をセットで箱詰めにします。
週末は妻とレストランを経営しています。マクロビオティック(玄米菜食)の料理を1日20食。旬の野菜の味を一番よく知っている生産者が、料理して提供することでおいしさを伝えることができます。
スイカ作りの名人だった祖父が高齢になり、「スイカづくりを絶やすのは惜しい。じいちゃんを喜ばせたい」と始めたのが、父の名をとった「しげじぃの命のスイカプロジェクト」です。
一年中野菜をつくろうと発展させたのが「合同会社アグリホリック」(農業中毒の意味)です。メンバーは平均年齢26歳の4人。年間約60品種を栽培し、主な販売先は、野菜ボックスでの宅配、地元のスーパー、軽トラ市などです。
グリーンツーリズム(都市と農村との交流)にも力を入れています。他の産業などとも連携して、地域の活性化をめざし、若者に「農業をやりたい」と思えるようにしていきたい。
農家のために販売先を確保するのが私たちの役目です。主な販売先は、ネット通販、デパ地下、スーパー。震災の被災農家に、関西で就農してもらうよう受け入れプロジェクトも行っています。
昨年、タイに行き、世界経済フォーラム東アジア会議に出席しました。「持続可能な有機農業の拡大をめざしている」と話すと、「それはよいことだ」と評価してもらいました。小農民をいかに増やすかを話し合っていましたが、とてもいいことだと思いました。
山形県南陽市・安部淳一さん(33)=米、サクランボ= いろいろな考えをもった人たちの話を聞けてよかったです。山形と違って、ここは暖かく、思わず田植えをしたくなります。
福島・浜通り農民組合・宮本美保さん(32) パネリストのみなさんの質が高く、目標になりました。みんな生き生きしていてかっこよかったです。浜通りでもみなさんのような生産者を増やしていきたい。
奈良県宇陀市・白坂隆三さん(34)=葉物野菜= いい雰囲気のなか、この先つながっていける人たちと出会えてよかったです。消費者に食への関心を持ってもらうよう考えていきたい。
案内をしたのは、歩さんと父で無農薬茶の会代表・藤枝市農民組合長の杵塚敏明さんです。
茶畑を見学する総会参加者 |
「あと2カ月後、新茶の時期になれば一面が見事な緑色に染まります。生産者にとって一番うれしい季節です」と敏明さん。栽培を始めた37年前は珍しかった無農薬での苦労や努力を紹介しました。
[2013年2月]
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