「農民」記事データベース20130204-1055-01

農民連第20回定期大会開く

TPP阻止、震災復興、原発ノー
会員・新聞拡大の活動を交流

笑いあり・涙あり・感動あり…
59人の発言 全国の仲間が一つに

 すばらしい発言や熱気で、頭の中は水のなかでドライアイスがブクブクしているような状態です。全体会とレセプションでよい刺激を受けました。帰ったら、地域で生かしていきたい――。(京都府連・高屋晧さん)。「持続可能な社会へ、農業の復権と農村の再生を担える農民連の建設を!」をスローガンに、都内で開かれた農民連の第20回定期大会。1月21日から3日間で、59人がマイクを握り、「農民連があってよかった」「仲間がいてよかった」と、笑いあり、涙あり、感動ありの発言で、全国の仲間が一つになりました。


農村を持続可能な社会の担い手に
力のある農民連へ大飛躍を

 白石淳一会長が「前回大会から2年間、激動する情勢のもと、日本の農業、食糧、農山村を守るために、TPP参加阻止のたたかいをはじめ、震災からの復興など農民の要求を基礎に広範な共同の運動を巻き起こし、その核となってきた」と開会のあいさつをしました。

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2年間の活動と経験を交流しました

 農民連の運動があったからこそ

 共同の最大の課題は、TPP参加阻止のたたかいでした。農協をはじめとした農業団体、商工団体、医療団体などとの共同の輪は、北海道をはじめ全国に広がりました。富山県連の水越久男さんは「地域でのたたかいなくして、東京でのたたかいはつくれない」と述べ、草の根運動の重要性を強調しました。

 長野県栄村の高橋彦芳元村長が連帯あいさつ。「日本農業を守り、発展させるためにも、農民連は全国の農村になくてはならない。農民組合の運動があったからこそ、小さくても輝く村政を実現できた」と、期待の言葉を述べました。

 ふるさと奪った東電と国許せぬ

 震災復興、原発ノーの課題も大きく前進しました。福島県連の杉和昌さんは、目に涙を浮かべ、時折声を詰まらせながら、「安全神話を垂れ流し、ふるさとを奪った国と東電は絶対に許せない」と怒りを表明。「最も被害を受けた農民の組織として、この運動の先頭に立とう」と呼びかけ、大きな拍手を受けました。

 原発ゼロのたたかいと並行して、農山村の資源を生かした再生可能エネルギーの取り組みも各地で広がっています。千葉・多古町では「市民発電わたしのでんき」で、精米所の電力を太陽光でまかない、参加料を払ってくれた消費者には農産物でお返しするという取り組みで、地域の活性化をめざします。

 福島県連からは、太陽光発電の取り組みを通じて、「農家のつながりを、つながりごと組織したい」「時代のさきがけになる」と意気高い発言が続きました。

 要求とりあげて会員と新聞拡大

 会員と新聞「農民」を増やす経験も交流し、参加者を励ましました。京都府連の井尻勇助さんは酒造会社と提携した米「山田錦」の生産を1ヘクタールから5ヘクタールに増やし、会員を拡大しています。岩手県連の小原照栄さんは、集落営農組織に備蓄米の提供を働きかけ、仲間を迎え入れた経験を報告しました。

 福井県連の玉村正夫さんは、米の出荷で昨年秋、20人の会員を拡大し、「がんばっている農民連から、力のある農民連へ」と意気込みを語りました。

 福島、茨城、千葉の各県連は、損害賠償の取り組みで多く仲間を迎え入れています。

 全国に女性部と青年部の確立を

 今大会では、農民連の活動が世代を超えて広がっていることを再確認させるものとなりました。女性部からの報告では、福岡県連の藤嶋嘉子さんが「女性部は規格にはまらない人が多いんです。女性部が元気になれば農民連が元気になります。農民運動は、除草剤でも枯れません。永遠に不滅です」と高らかに宣言。群馬県連の木村君江さんは「熱意を相手に伝えることが新聞拡大のカギ」と力強く訴えました。女性部長の久保田みき子さんが「全国に女性部を確立しましょう」と呼びかけました。

 未来の継承者である青年部からは、3人が発言。昨年9月に山形で開かれた国際的農民組織ビア・カンペシーナの東南・東アジア地域青年国際会議の取り組みや、各地から青年が被災地に支援にかけつけた救援プロジェクトなどを報告。山形からは青年部の豊かな活動経験が紹介され、青年部長の杵塚歩さんが、「各都道府県に青年部を」と訴えました。

 大会の熱気を春の運動の力に

 発言の最後には、青年部OB・OGらが多数登壇し、“壮年部”の結成が宣言され、「本部からの予算はいりません」と訴えると、会場は大爆笑に包まれました。

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発言に笑顔。会場が一つになりました

 討論のまとめを行った笹渡義夫事務局長が「この熱気を地域に持ち帰って、春の大運動前進の出発点にしよう。参加されたみなさんがその実践の先頭に立とう」と呼びかけて、閉会しました。

 (大会の関連記事は、2、3、4、5、8面)

(新聞「農民」2013.2.4付)
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2013年2月

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