旬の味
年末に降った雪が固く凍った山影から新年が始まり、人生二度目の年女になった。『漢書 津暦志』によると、巳年は草木の成長が限界に達して、次の生命が作られる時期だという。今の世の中をあらわしているようで感慨深い▼芽吹きはいつだって土のなかで起こる。だから見た目には分かりづらい。しかし、この瞬間も芽は育っているのだ。近くの温泉施設に太陽熱集熱パネルが設置されたと、地元新聞の記事に見つけた。これで源泉を34度から42度に加温しながら、灯油代とCO2の削減が見込めるという▼この地域は中山間地のため耕作面積が狭く、それに輪をかけて高齢化と過疎化が進み、資源と呼べるようなものは何もないかに思われていた。ところがここにきて、全国有数の日照時間で自然エネルギーの先進地域になりつつある▼都会から顧みられることのなかった地域が、新たなエネルギーの生産地として、まったく新しい芽吹きの時を迎えようとしている。本当に新しいことは目に見えてこないものだ。 (よ)
(新聞「農民」2013.1.21付)
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[2013年1月]
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