食の作り手と食べ手結ぶ
長野・佐久地方
18回目迎えた「食と農のつどい」
地元産の料理いっぱい
長野県の佐久地区「食と農のつどい」実行委員会は昨年12月1日、佐久穂町で第18回「食と農のつどい」(荻原徳雄実行委員長)を開き、100人余が参加しました。
地道な活動いきいき報告
25もの団体が
この「つどい」は18年前、輸入農産物が増加する中で、日本の食文化をつなぐ「伝統食列車」が佐久地方に来たのをきっかけに、「地道な活動を佐久でも続けよう」と食健連が中心になって、野菜直売所などを運営する農家の主婦たちと連携し、支援するために「食と農を起こす佐久地区ネットワーク」を結成し、1996年にスタート。毎年開かれています。
18年目を迎えた「つどい」には、農民連をはじめJAなどの生産者グループ、直売所、そして病院関係者も加わって25団体に。「農の作り手と食べ手を結び、伝統食のおいしさを受け継ごう」をテーマに、特産の鯉(こい)こくや雑穀サラダ、おやき、大根菜めし、こねつけなど9種類の料理でテーブルは満載です。
直売コーナーには、川上村のハクサイや地元の牛肉を使ったコロッケ、手作り豆腐、天然の地元産ナタネ油、シクラメンなど郷土の産物が並びました。
生産者と交流
アトラクションでは、佐久穂「花さく太鼓」のみなさんによる勇壮な太鼓が披露され、その後、川上村の農民連会員、中島憲隆さんと小諸厚生病院の管理栄養士、藤沢唯さんが実践活動を報告しました。
中島さんは、村に入植してカラマツの苗木づくりから始まり、養蚕や畜産、野菜づくりへと移ってきました。途中、交通事故で視力が低下する難病にかかり、失望していたところ、息子さんがもどってきてくれて野菜づくりを続けています。また自身の生き様として青年団活動に没頭し、「戦争体験を聞く会」の実行委員長として戦争展を開くなど、自分の体験を話しました。
また藤沢さんは、「病院の給食に地元の農産物を使うようになって24年になります。『地元の食材は患者さんの免疫力を高める』をキャッチフレーズに取り組んできました。この活動のメリットは、地元の方々とのつながりです。援農して生産者と交流しています。地域のみんなで継続していくことに意義があると思います」と述べました。
TPPに反対
私たち農民連は、実行委員長があいさつで述べたように「18回と続けてきたこの『つどい』は、安全な食糧と健康を守ろうという私たちの運動と、アメリカの危険な農産物を売り込もうとする動きとの対決だった」という意義を再確認して、この「つどい」の積み重ねを土台に共同を広げ、TPPに強く反対していきたいと思っています。
(長野・佐久農民センター 高橋達夫)
(新聞「農民」2013.1.14付)
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