あんぽ柿から他の品目への
転換に賠償を
福島県農民連が東電本社に要請
“因果関係確認できず”
相も変わらず拒否姿勢
福島県農民連は12月19日、30人余りが上京して「このままでは正月を迎えられない」と、原発事故の全面賠償を求めて東京電力本社と関係省庁の担当者を同席させて、要請行動を行いました。福島県連の亀田俊英会長は「どの要求も、どうしても年内に解決しなければならないものだ。誠意ある回答を」と訴えました。
農民連の要求は、(1)2年連続して出荷自粛となったあんぽ柿農家への慰謝料、(2)あんぽ柿からほかの果樹への品目転換に対して5年分以上の賠償、(3)サクランボやブドウの汚染防止のため被覆資材の取り替え費用への賠償、(4)農民の健康被害と汚染農地再生への補償、(5)損害賠償金への課税中止などです。
米作や果樹農家らは、「東電は、放射能汚染が明白なために作付けを断念した農家には賠償せず、作付けして損害を受けた農家には賠償した。不平等ではないか」「私らは、汚染を心配してビニールシートを取り替えたり、河川の水があぶないから地下水に切り換えた。どうしてそうした費用は賠償の対象にならないのか」「私らは、後継者にやりがいのある農業、希望にあふれる農業を受け継いでやりたいんだ」などと詰め寄りました。
農水省など省庁の担当者は「生産者の気持ちは十分理解できる」「相当因果関係が確認できなくても、個別の事情によって判断されるべきだ」などと答えましたが、東電側は「相当因果関係が確認できない」との理由で、農家の要求をことごとく拒否。参加者は、「東電は国の指導に従うといっているのだから、国は東電を厳しく指導せよ」と求めました。
日本共産党の紙智子参院議員が同席しました。
(新聞「農民」2013.1.14付)
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