「農民」記事データベース20130107-1052-08

オスプレイいらない
基地もなくしたい

若者が安心して農業に励み
定住しつづけられる沖縄を

関連/迎春 幸多い年でありますように
  /土鍋の中でとろっとろ 温まるよ。

 新年を迎え、沖縄での米軍基地強化の策動を跳ね返し、基地撤去の課題が大きな焦点になります。「基地を一刻も早くなくし、若者が安心して農業に専念し、定住できる沖縄を」と、反対運動に取り組む農家を紹介します。


基地建設現場で座り込み

沖縄県東村高江 宮城勝己さん(60)=花木

画像 沖縄県東村の高江。県北部に位置し、ヤンバルとよばれる亜熱帯林に覆われ、約160人が暮らす小さな集落です。

 集落を取り囲むようにアメリカ軍のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)を6つも造る工事が始まり、昼夜を問わず、新型輸送機オスプレイをはじめ、米軍ヘリが飛び交います。

 「米軍がわがもの顔に集落を荒らしている」――。そう言って怒るのは、東村でツツジなど観賞用の花木を栽培する宮城勝己さん(60)。ヘリパッド問題が浮上した2007年から工事現場入り口付近でほぼ毎日、座り込みを続けています。

 宮城さんは51歳のとき、環境への関心などから、長年勤めた郵便局を退職し、農業を始めました。たびたび襲来する台風でハウスが倒壊したり、海水を含んだ風が吹きつけ、塩害をもたらして木が枯れたりなど、自然の猛威とたたかいながらの農業ですが、手塩にかけて育てた花木が成長し、出品されるのがこの上ない喜びです。

 しかし、そんな充実感に立ちはだかるのが基地問題です。「ヘリパッドの増設で、美しい森が切り開かれ、赤土がむき出しになってしまう。自然破壊もいいところだ。オスプレイが上空を飛べば、いつ落ちるかわからず、安心して農業ができない」と宮城さん。

 基地反対運動にかかわって6年になろうとしています。郵便局退職時にもらった退職金は底をついてしまいました。自分の身を削ってでも、座り込みを続けるのは、集落への深い愛情と農業への情熱、そして全国からの物心両面での支援があります。

 自慢のツツジは、これから出荷の時期を迎えます。丹念に鉢植えをチェックする宮城さんの手に力がこもります。

画像
支援者の人たちと座り込む宮城さん(前列右)。後列右は沖縄県農民連の大城一雄事務局長

 「沖縄は、基地にとられて農地面積が狭い。早くヘリパッド建設中止を勝ち取りたい。かつてのように若い人が農業で生活し、定住できるような高江に戻したい」。宮城さんの目が輝きました。


画像
茨城・石岡市 末永明美


茨城・石岡市 大塚育子

(新聞「農民」2013.1.7付)
ライン

2013年1月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2013, 農民運動全国連合会