オスプレイいらない
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新年を迎え、沖縄での米軍基地強化の策動を跳ね返し、基地撤去の課題が大きな焦点になります。「基地を一刻も早くなくし、若者が安心して農業に専念し、定住できる沖縄を」と、反対運動に取り組む農家を紹介します。
集落を取り囲むようにアメリカ軍のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)を6つも造る工事が始まり、昼夜を問わず、新型輸送機オスプレイをはじめ、米軍ヘリが飛び交います。
「米軍がわがもの顔に集落を荒らしている」――。そう言って怒るのは、東村でツツジなど観賞用の花木を栽培する宮城勝己さん(60)。ヘリパッド問題が浮上した2007年から工事現場入り口付近でほぼ毎日、座り込みを続けています。
宮城さんは51歳のとき、環境への関心などから、長年勤めた郵便局を退職し、農業を始めました。たびたび襲来する台風でハウスが倒壊したり、海水を含んだ風が吹きつけ、塩害をもたらして木が枯れたりなど、自然の猛威とたたかいながらの農業ですが、手塩にかけて育てた花木が成長し、出品されるのがこの上ない喜びです。
しかし、そんな充実感に立ちはだかるのが基地問題です。「ヘリパッドの増設で、美しい森が切り開かれ、赤土がむき出しになってしまう。自然破壊もいいところだ。オスプレイが上空を飛べば、いつ落ちるかわからず、安心して農業ができない」と宮城さん。
基地反対運動にかかわって6年になろうとしています。郵便局退職時にもらった退職金は底をついてしまいました。自分の身を削ってでも、座り込みを続けるのは、集落への深い愛情と農業への情熱、そして全国からの物心両面での支援があります。
自慢のツツジは、これから出荷の時期を迎えます。丹念に鉢植えをチェックする宮城さんの手に力がこもります。
支援者の人たちと座り込む宮城さん(前列右)。後列右は沖縄県農民連の大城一雄事務局長 |
「沖縄は、基地にとられて農地面積が狭い。早くヘリパッド建設中止を勝ち取りたい。かつてのように若い人が農業で生活し、定住できるような高江に戻したい」。宮城さんの目が輝きました。
茨城・石岡市 末永明美 |
茨城・石岡市 大塚育子 |
[2013年1月]
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