“おらほ”の郷土おせち石川農民連 西 肇(とし)子さん
かぶらずし寒さが増すと、1年で一番おいしい季節になります。蟹(かに)に牡蠣(かき)に鱈(たら)に鰤(ぶり)…と、いろいろあります。 昨年11月6日、私の大好きな香箱蟹(こうばこがに、ズワイ蟹のメス)が解禁になりました。香箱は小さな蟹ですが、みその赤い内子(うちこ)や身を全部抜き出して、ゆずを搾ってちょっとしょう油をたらすと絶品で、一番好きな食べ方です。 この解禁のころから雷が鳴るごとに脂がのってうまくなるのが鰤(ぶり)です。いまでも結婚して1年目の年の暮れに、嫁さんの実家に贈る風習があるんですよ。 わが家では、天然鰤を1本買い、かぶらずし用に皮付きのまま3枚におろしてもらいます。まずは、一番脂ののったトロを刺身にして、アラは鰤大根ですべておいしくいただきます。次に、残した鰤の身にたっぷりの塩をまぶして塩漬けにします。最低でも2週間漬け置くと、生臭さが消えて固くしまります。それを薄くそぎ切りして、塩漬けしたかぶらにはさんで、麹(こうじ)床に漬けて重しをして4日ほどたつと、鰤からの塩分を甘い麹で抜きながら食べごろになっていきます。 毎年、正月をメーンに40個ほどを3度漬けますが、そのときの気温によって出来もいろいろです。雪が降って寒くなると、かぶらずしを桶(おけ)から取り出すのは冷たい。でも、それが一番おいしいころなのでしょうね。
レシピ
(新聞「農民」2013.1.7付)
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[2013年1月]
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