「農民」記事データベース20130107-1052-03

食健連
グリーンウエーブ集結集会

関連/米価と需給の安定に政府は責任をもて

 全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は12月19日、都内で「2012年秋のグリーンウエーブ中央集結行動」に取り組み、中央や地域での運動の成果を持ち寄り交流。新年から始まるたたかいに向けて決意を固めあいました。


TPP参加阻止
即時原発ゼロ
被災地の復興
農林漁業の発展

 農水省前の大衆要請行動には、労組や各団体の代表が結集し、全農協労連の国分博文書記長が「TPP参加反対の運動を広げてきたことに確信をもち、共同の輪を引き続き広げよう」と開会あいさつをしました。

 国公労連、東京国公、自治労連、秋田農協労組の代表が、それぞれの分野でのたたかいの到達点と決意を述べたほか、青森県農民連の沖津由子さんが「自分が住む横浜町は原発に囲まれ、関連企業に勤める若者も多いが、再生可能エネルギーへの転換で雇用が増え、平和に暮らしていけることを訴えると、理解してくれる人も多かった。原発ゼロを実現するチャンスだ」と述べました。

 最後に「TPPへの参加許すな」「消費税増税反対」などと唱和し、こぶしを振り上げました。

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「TPPに参加するな!」とこぶしを振り上げる参加者

 この後、参加者は、省庁交渉と内閣府への申し入れを行いました。農水省には、「みかん、りんご、落葉果樹の産地を守る要請」と、「当面する農政への要望」(別項)を行い、厚生労働省では、食の安全行政の強化と予算確保を求める要請をしました。

地域での運動の成果もち寄り交流

 意志統一集会開く

画像 次に、新宿農協会館に場所を移し、「TPP交渉参加阻止! 大運動意志統一集会」を開きました。

 主催者あいさつで農民連の白石淳一会長は「きょうの集会は、一年のしめくくりであるとともに、たたかいの出発点になる。大いに交流を」と呼びかけました。主婦連合会の佐野真理子事務局長が来賓あいさつ。「TPP、原発、震災復興、憲法改悪阻止などの諸課題でともにたたかおう」と述べました。

 日本共産党の紙智子参院議員が国会報告を行い、「TPP参加反対の運動の広がりによって、総選挙での当選議員の66%が反対をいわざるをえない状況を作り出してきた」と激励しました。

 全労連の布施恵輔国際局長が、12月にニュージーランドで行われたTPP第15回交渉とNGOによる抗議集会のもようを紹介し、「日本の運動への期待は大きい。引き続きたたかいを強めよう」と呼びかけました。

 民意反映していない

 全国食健連の坂口正明事務局長が方針を提起。民意を反映しない総選挙の結果で、「自民党が支持されたわけではない」というのが共通の見方だと指摘。一方で、憲法改悪、消費税増税、原発再稼働など安倍新政権の危険な役割に対する運動も必要だと述べました。

 また「TPP交渉への参加問題で、当選議員が選挙目当てに掲げた“公約”の実行を守らせる運動を強化するとともに、新春宣伝や新政権に対し、自治体の意見書をあげる取り組みを進めよう」と呼びかけました。

 討論では、岩手、富山、新潟の代表がTPP参加反対の共同の取り組みを報告したほか、愛媛の代表は反原発の運動を紹介しました。

 夜の中央収穫祭では、TPP反対の官邸前行動で連帯しているアジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子さんや、日本航空による不当解雇とたたかうJAL原告団も参加し、運動の発展を誓いました。


米価と需給の安定に
政府は責任をもて

画像 農水省交渉では、新政権のもとでの農政について要望しました。

 冒頭、TPPへの参加について、農水省は「情報収集と情報公開に努めたい」と述べるにとどまりました。

 岩手県の参加者から、県内17の首長や農協組合長らから「参加反対」の賛同署名が寄せられるなど、反対の世論が広がっていることが紹介され、「農水省は危機感をもって臨んでほしい。参加表明は絶対にするな」と求めました。

 戸別所得補償の法制化の問題では、農水省がその対象を大規模農家だけに限定し、加入者に負担を強いる保険方式の導入を検討している点にふれ、「今までも失敗している対象者の絞り込みや選別政策をやめよ」と訴えました。

 さらに、参加者は、米を市場任せにする「米改革」が破たんしていることを指摘。6月に、大震災と津波などの被害分と福島の放射能汚染による隔離分の補てんとして、業界の要望に応えて4万トンの備蓄米を突然放出したことを示し、「『棚上げ備蓄は全体の需給と価格の安定に影響を与えない』という前提が崩れている。備蓄米を売る方だけ、農水相の判断でできるとしたが、なぜ買い入れはできないのか。需給調整の役割を果たさせる備蓄政策の転換を図り、米の価格と需給の安定に政府が責任をもて」と求めました。

 秋田から参加した農協労働者は、「新政権のもとで、農家は、来年の生産調整や戸別所得補償がどうなるのか、不安に思っている。見通しを早めに示してほしい」と、現場の切実な声を紹介しました。

(新聞「農民」2013.1.7付)
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2013年1月

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