「農民」記事データベース20121210-1049-20

旬の味


 こたつの上に年賀状の束が置かれると、年末という感じがする▼今年は、主要生産地の天候不順で飼料価格が上がり、わが家でも高いエサ代が経営に重くのしかかっている。どうしたものかと頭を抱えていた時、近所のコイン精米所から「くず米がたまって困っているのでもらってほしい」という連絡があり、引き取りに行った▼それまではヒナの育成にだけ使っていたくず米だが、あまりの量に成鶏の自家配合飼料にも混ぜてみることにした。その結果、あれほど下がらなかったエサ代が徐々に下がり始めた。そのうえ、思いがけず国産飼料の割合を高めることもできた▼これまで自給率を上げようと飼料用米の栽培を考えたこともあったが、中山間地のためまとまった土地の確保が難しいことや、何より新たな設備投資をするだけの余力がなくあきらめていた。けれど、このままいつまでも輸入飼料に頼ってはいられないという切迫感もあった▼そんな私に、身近な問題の解決策は地域にあるのだとくず米が教えてくれた。

(よ)

(新聞「農民」2012.12.10付)
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2012年12月

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