「農民」記事データベース20121210-1049-15

宮城県災対連 石巻市の仮設住宅

炊き出し&なんでも相談会


全国の支援物資届けながら
仮設住宅1軒1軒訪ね
困り事・要望を聞き歩く

 宮城県災対連(民主団体や労働組合を中心に、宮城農民連も参加してつくる復興支援に取り組む団体)は11月23日、石巻市の仮設住宅で16回目の「炊き出し&なんでも相談会」を行いました。宮城農民連をはじめ、山形・庄内産直センター、農民連ふるさとネットワークからも参加。冬支度が始まる寒空のもと、庄内産直センターが温かい豚汁400食分の炊き出しを行いました。

 仮設240戸ほぼ空きなし

 今回は、これまでの炊き出しや専門家による相談会に加えて、仮設住宅全戸に支援物資を届けながら、困りごとや要望を聞く戸別訪問に初めて取り組みました。

 支援物資は宮城農民連をはじめ全国から提供された米、農民連の白石淳一会長と兵庫農民連のタマネギ、茨城・常陸野産直センターと奈良農民連のサツマイモ、奈良の大根とイチゴジャム、福岡・みのう農民組合のみそ、冬用の日用品も小分けして各戸を訪問。

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仮設住宅に住むお年寄りと対話する災対連の人たち

 住宅は全部で240戸。震災後2度目の冬を迎えるというのにほぼ空きがない状態です。戸別訪問に参加した宮城農民連の芳賀緑さんは「お年寄りがほとんどで、目の不自由な人や、足腰が悪くて、玄関先に出ることも思うようにいかない人も多い。段差でつまずいて転び、骨折したことがある人もいました。生活再建に希望が持てず、震災の傷も癒えない中、年配の方への精神的なケアが必要だという要望も出されました」と話します。スタッフ数十人ですべての住宅を訪ねると、このような切迫した状況が続々と寄せられました。

 民主党政権に裏切られた…

 政治の話題になると、復興予算を大企業の助成金に流用するなど「民主党政権には裏切られた」「自民党も被災地を置き去りに政争に明け暮れている」など、怒りの声が次々出されました。

 今回の炊き出しには、群馬県から初参加のギョーザ屋さんの姿がありました。「気仙沼ののりを練りこんだ」という緑色の皮のギョーザは好評で、「たくさんの方々から『おいしい』という声と笑顔をもらえて良かった」と語りました。また芳賀さんの学生時代の友人が東京から参加し、戸別訪問に同行しました。芳賀さんは「被災地はまだまだ復興の途上にあることを多くの人に知ってほしい。今回、初めて支援活動に参加してくれた方々もいてうれしかった」と感想を述べました。

 宮城農民連の会員には、自ら被災し仮設住宅での生活を余儀なくされている仲間もいます。復興支援活動をねばり強く継続していくため、引き続き全国からの支援が求められます。

(農民連ふるさとネットワーク 笠原尚)

(新聞「農民」2012.12.10付)
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2012年12月

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