TPP危険な局面に
日米首脳会談で「一歩踏み込んだ」野田首相
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農水省前で抗議の声をあげる全国食健連、農民連(11月15日) |
民主党の税制調査会は、消費税引き上げの見返りに自動車重量税の撤廃・引き下げを検討していますが、どさくさにまぎれてアメリカの要求に応じ、アメリカのお墨付きをもらう可能性があります。
国民の強い批判に押されて衆議院を解散し、「選挙管理内閣」の実態しかない政権が新たな国際約束をすること自体が言語道断です。日本経済新聞(23日)によると「TPP『年内』なお探る」ことをねらっており、12月上旬に政府高官をアメリカに派遣して「協議機関」設置を提案し、合意できれば「首相がオバマ大統領との電話会談で正式に参加を表明する段取り」だといいます。“ドジョウの最後っ屁(ぺ)”は絶対に許すわけにはいきません。
かわって「次期政権と交渉を待つべきだ」と、アメリカが期待しているのが自民党です。自民党が21日に発表したマニフェストでは「政府が『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対する」と、“条件つき反対”を装っています。
しかし安倍総裁は、財界人や在京外国大使ら230人を前に、次のように“条件つき賛成”の熱弁をふるいました(11月15日「読売国際経済懇話会」)。「TPPについて(自民党が)決断を先送りしているように思われているが、それは違う。聖域なき関税撤廃を突破する交渉力があるかないか。民主党にはない。自民党にはある」
アメリカが注視しているのは、安倍総裁のTPP前のめりの姿勢です。
60年間、アメリカべったり、財界中心の政治にうつつを抜かしてきた自民党に、アメリカの圧力に対する「交渉力」が皆無であることは歴史が証明済みです。繊維、鉄鋼、自動車、医療保険、牛肉・オレンジ、米……これらは全部日本側が一方的に譲歩してきました。安倍総裁のいう「交渉力」とは「譲歩力」なのか? さらに、岸信介元首相、安倍晋太郎元外相に続く3代目の“対米従属世襲議員”である安倍晋三総裁に「自民党には交渉力がある」などと言われても、「野田首相並みのウソつき」というしかありません。
このほか、「維新の会」「みんなの党」は初めからTPP推進を公言してきた党です。
結論ははっきりしています。農業に壊滅的な打撃を与え、医療や食の安全、雇用、主権などに重大な悪影響をもたらす「壊国」の協定、TPP参加に暴走する政党と政治家は、総選挙で総退場させるしかありません。
民医連が作製した大判のプラスターを持つ内田さん(左)と「医療も大打撃」と訴える民医連の伴香葉さん |
呼びかけ人の1人、アジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子さんは、「このアクションは毎月第1火曜日に行われてきましたが、東アジアサミットでの日米首脳会談にあわせて、緊急に呼びかけました」とあいさつ。青年がマイクを握り、「街に出よう。お茶会でもいいし、飲み会でもいいから、たくさんの人に声をかけ、必ずTPPをつぶそう」と呼びかけると、参加者は「そうだ!」とこたえました。
[2012年12月]
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