「農民」記事データベース20121119-1046-01

大手マスコミ「コメ高すぎ」と攻撃するが…

ご飯一杯35円!
これって高いですか?

農家の生産費まかなう消費者価格キロ500円

関連/農民連「米を守る要求と提案」を発表

 読売や朝日、日経新聞など大手マスコミは、「今年は豊作でコメ余りなのに価格が上昇」「消費者の理解は得られまい」などと、「高いコメ」に批判の矛先を向けています。


生産費下回る米価では
農家の顔もほころばない

 今年の作況は全国平均で「102」。需要量に対して20数万トン余り上回る見通しですが、これは需要量のわずか3%程度にしかすぎません。わずかな豊凶で価格が乱高下すること自体が異常です。

 また農水省の調査によると、9月の産地と卸売業者の取引価格は、60キロあたり平均1万6650円で、昨年より約1割高いといいますが、流通経費を差し引いた農家手取り分は1万4000円程度。しかし、米を60キロ作るのにかかる経費はここ数年の平均で1万6500円程度で、ここ数年は「米つくってメシくえねぇ」という低米価に泣かされてきたのが実態です。

 消費者がお米屋さんなどで買う米の値段はそんなに高いのでしょうか。農家が生産費をまかなうためには1キロで500円程度の消費者価格が必要です。それでも、お茶わん一杯の値段にすれば、わずか35円程度。しかも稲を作る水田はダムの役割をはたし、災害から国土を守っています。

缶コーヒー120円
焼きそばパン125円
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35円ならこのくらい
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チーズバーガー360円
カップヌードル168円

 お茶わん一杯35円の新米に、「うまい!」という声。農家の顔もほころびます。


農民連「米を守る要求と提案」を発表

 農民連はこのほど、「米を守る農民連の要求と提案」を発表しました。全文は以下の5章構成です。

(1)はじめに―「米政策」路線を続ける限り、米の安定生産・安定供給は保障されない

(2)TPPは食糧危機の打開にも農業再生にも逆行する

(3)市場まかせ、輸入自由化前提の「米改革」から、国が需給と価格の安定に責任を持つ米政策へ

(4)価格保障・所得補償を柱に、“老壮青”のバランスのとれた担い手づくりへ

(5)生産者、米業者、消費者が力をあわせて安全・安心できる米の「もう一つの流れ」を〜米を守る国民的な運動を呼びかけます

 全文は、近く発行される雑誌『農民』(67号)に収録し、本紙(3〜6面)には、(1)、(3)、(4)を掲載します。

(新聞「農民」2012.11.19付)
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2012年11月

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