深刻な影響わかった
TPP反対広げよう
鈴木東京大学大学院教授招き講演会
関連/両磐の会がTPP学習会 断固阻止し地域農業守る
〈京都・南丹市〉
京都農民連口丹ブロックも参加する実行委員会が主催して、10月21日、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏を招き「TPP参加反対、いのちと暮らしを守る講演会」を南丹市日吉町で開催しました。緊迫するTPP参加問題をめぐって、この問題の本質を多くの人たちに知ってもらう必要があると、ほかの団体にも呼びかけて実行委員会を立ち上げ準備してきました。この日は、会場いっぱいの250人以上が詰めかけ、講師の熱弁に聞き入りました。
鈴木氏は、政府が国民に「情報収集のための関係国との事前協議」と言っていることはウソで、BSE対策の輸入緩和や自動車などのアメリカからの要求=「入場料」に対して、水面下で実務レベルの交渉が着々と進んでいると述べ、日本政府に対してアメリカが有無を言わせぬ高圧的な態度に出ていることなど、ショッキングな話ばかりでした。また、原則関税撤廃によって、日本の米が60キロ2000円のアメリカ産米と競争させられるなど、深刻な影響がまだ国民に知らされておらず、崩壊寸前の野田首相が「破れかぶれ」になっていつ参加表明するかわからないという緊迫した情勢にあることを強調。そして、1%の多国籍企業の金もうけのために、99%の国民が犠牲にならなければならないTPPのねらいや本質をわかりやすく解説しました。
会場では、鈴木氏の本「よくわかるTPP、48のまちがい」があっという間に売り切れになり、参加者からは「今日聞いたTPPのことを多くの人に知らせないとたいへんなことになる、ということがよくわかった。今日もらった資料を使って小集会を開きたい」「農業はもちろんのこと、医療や雇用などいろんな分野に影響を与えることがよくわかった。TPP反対の声を広げたい」などの感想が寄せられました。
実行委員会では、講演会の成功を受けて具体的な反対の取り組みを進めていこうと話し合っています。
(京都農民連 佐々木幸夫)
岩手・一関
岩手県一関市・平泉町で活動する「TPP等と食料・農林水産業・地域経済を考える両磐の会」は10月23日、一関市で「サルでもわかるTPP」の著者、安田美絵さんを講師に、「TPPについて考える学習講演会」を開催し、約500人が集まりました。
「両磐の会」は、農協、農業委員会、土地改良区、建設業協会、農民組合、労働組合、民主団体など34団体と個人で構成しています。
開会にあたり、岩手県農民連・東磐井農民組合の千葉太郎組合長が「土に立つ者は倒れず、土に活(い)きる者は飢えず、土を護(まも)る者は滅びず」という横井時敬(江戸から明治にかけて活躍した農学者で東京農業大学の初代学長)の言葉を紹介し、地域農業を守る意気込みを語りました。
また主催者あいさつで、いわい東農業協同組合の鈴木昭男組合長が「JAの全国大会で野田首相はTPP推進の立場であいさつした。この宣戦布告に立ち向かわなければならない」と発言。岩手南農業協同組合の千葉長吉組合長も「断固阻止のために農協系統としても全力をあげる」と決意を述べました。
「両磐の会」では引き続き街頭宣伝や署名行動に取り組む予定です。
(京都農民連 佐々木幸夫)
(新聞「農民」2012.11.12付)
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