韓国女性農民会慶尚南道連合
みのう農民組合(福岡)と交流
「私たちは、食糧主権の立場に立って地産地消をやっていくことが重要だと考えています。具体的に取り組まれているところをぜひ勉強したい」―韓国女性農民会(KWPA)慶尚南道連合のみなさん(会長以下7人)が10月13、14の両日、福岡・みのう農民組合を訪れ、交流しました。
食糧主権に立って地産地消を
とっても大切 ぜひ勉強したい
地元の野菜を食べて
13日はまず、直売所「にじの耳納(みのう)の里」へ。果物の種類や育て方、売り方、加工の仕方などを熱心に質問したあと、昼食は地元の野菜などを使ったバイキングで「おいしい!」とにぎやかに交流しました。
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直売所「にじの耳納の里」で、韓国の果樹農家がぶどうや梨、イチジクなど熱心に質問していました |
午後は、うきは市の食育担当の瀧内伸章さんと中学校の管理栄養士の瀧内明子さんが、学校給食に地産地消をどのようにいかしているか、自校方式で作り生徒全員がホールで食べていることなど、現場での学校給食のあり方を説明しました。生産者と学校のつながりや農作物の取り入れ方など、次々に繰り出される質問に、瀧内伸章さんは「みなさん熱心で、びっくりした。もう少し時間をとればよかった」と、後で感想を話していました。ちなみに、自分で調べてハングルで書いた資料を用意していただき、本当に助かりました。
そのあと、足立博幸さんの柿スナックの作り方を見学。慶尚南道では、甘くてやわらかい柿がないそうで、足立さんの熟柿をおいしそうにかぶりついていました。
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道の駅「うきは」で、みのう農民組合や新日本婦人の会久留米支部のみなさんと記念撮影 |
FTA反対の旗
夕方は、歓迎会のバーベキューを佐々木督文さん宅で行い、下郷農協の三上英範さんもお肉を持って参加するなど、総勢50人ほどに膨れ上がりました。初めて顔をあわせる組合員どうしもいて、組合員の交流にもなりました。食糧主権・FTA反対などと書いた旗や扇子をお土産にいただきました。「韓国では、韓米FTAだけでなく中国ともFTAの話が進んでいる。このままでは、韓国の農業はダメになってしまう」というKWPAのあいさつに、みのう農民組合の井上永太郎組合長も「日本も同じ。TPPに参加してしまったら遺伝子組み換え反対とか言っていられなくなる。ともに力をあわせるのが大事」とこたえました。おそくまで、韓日両言語の歌声が、うきはの里に響きました。
一緒に枝豆を収穫
14日は、大豆畑トラスト枝豆収穫祭で、約120人が集まりました。枝豆の収穫をKWPAのみなさんもいっしょに行い、湯がいた枝豆を一緒に食べました。韓国では、枝豆で食べる習慣がないそうで、「なぜ大豆になる前に食べるのか」と聞かれ、「初めて食べたけど、おいしい!」と感激していました。収穫祭には、はじめて参加された家族連れが多く、北九州市の女性は、「自分も食育をしていて大豆畑トラストを広めているが、声をかけた人が来てくれてうれしかった」と話していました。
今年の「3・11原発いらない集会(久留米)」のときに作ったおみそ500キロを小分けし、KWPAのみなさんもいっしょに被災地・宮城県に寄せ書きをして送りました。
KWPAのみなさんは、「とても楽しい2日間でした。またぜひみのうに来たい」と言って、ハードなスケジュールだったにもかかわらず元気に帰っていかれました。ビア・カンペシーナのもと、「食糧主権」という旗印を掲げてたたかうたくましい女性たちとの交流は、私たちにも確信となるものでした。
(福岡・みのう農民組合 金子徳子)
(新聞「農民」2012.11.5付)
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