共同広げた道筋に確信もとう
被災者本位の復旧・復興めざし
宮城・蔵王で災対連が交流集会
「被災者本位の復興復旧をめざして」をテーマに、東日本大震災の救援・復興の取り組みと今後の課題を交流する「全国交流集会2012 in みやぎ」が10月7、8の両日、宮城県蔵王町で開かれました。主催は、被災3県の復興救援団体と農民連も参加する全国災対連(災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会)。16都道府県から255人が参加しました。
開会あいさつで、全国災対連の大黒作治代表世話人(全労連議長)は、「原発やオスプレイ、TPPなど、さまざまな分野でたたかいの芽が育っている。共同を広げる道筋に確信を持ち、大震災を風化させることなくがんばっていこう」と訴えました。
開催地の村上秀人蔵王町長、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員の来賓あいさつに続き、京都大学教授の岡田知弘さんが「東日本大震災復興をめぐる二つの道〜『惨事便乗型』復興から『人間の復興』へ」と題して記念講演しました。
日本の未来にもかかわってくる
岡田教授は、震災復興を口実にした「構造改革」路線の「再稼働」が始まっていると述べ、復興のあり方として(1)グローバル国家型か、被災者・住民の生存権と暮らし再建のための新しい福祉国家をつくるのか、(2)エネルギー政策の基本を原発におくのか、「脱原発」によって再生エネルギーの普及を重視するのか、(3)東京一極集中の国土構造を続けるのか、地域産業・地域社会の再生をはかるのか、(4)国・自治体を道州制や自治体合併によって財界に奉仕するものにするのか、住民自治に基本をおいた主権者・住民のためのものにするのか、これらは被災地だけでなく日本の未来にかかわってくると述べました。
参考になった福島のたたかい
その後、被災3県の代表が復興の現状と課題について報告。また参加者は、生活再建、集団移転、放射能と健康、雇用と地域経済など9つの分科会に分かれて、熱心な討論を行いました。
「損害賠償請求運動」をテーマにした第6分科会では、福島県農民連の亀田俊英会長や県北農民連の服部崇事務局長も参加し、いまも続く風評被害やあんぽ柿の生産自粛などに対する全面賠償と原発ゼロをめざす運動について活発な議論がなされました。参加者からは「損害賠償の取り組みについて、福島のたたかいなど各地の報告が参考になった」との感想が寄せられました。
最後に、保団連会長の住江憲勇さんが「要求運動と政治闘争を結合して前進しよう」と力強く呼びかけました。
(農民連本部 上山興士)
(新聞「農民」2012.10.29付)
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