農民連常任委員・新潟県連会長
今 井 健さんを偲しのんで
農民連会長 白石淳一
農民連常任委員であり、新潟県農民連会長の今井健さんが、10月7日、急逝されました。あまりにも突然で、まだまだこれからひと働きという、行年65歳での逝去に残念な思いでいっぱいです。
今井さんは、たいへん責任感の強い方でした。農民連は10月2日に、秋のTPP反対のたたかいや明年1月に開催予定の定期大会成功のための意思統一をはかる目的で、全国代表者会議を開催しました。今井さんは、この会議に出席するため、徹夜で精米作業を行ったといいます。疲れていたと思いますが、会議終了後の首相官邸前でのTPP反対の行動にも参加しています。「あの時、宿舎にもっと早く帰らせてあげれば」との思いがよぎります。
今井さんは、農民連常任委員、新潟県連の責任者としてたたかいの先頭に立ってこられました。東京で集会や政府との交渉など大きな取り組みがあると、時には田植えや稲刈りの真最中にもかかわらず、農作業を中断してでも新潟の仲間とかけつけていただいたのも、今井さんの熱い思いのあらわれだったのでしょう。
2010年10月には、TPP反対の日本での口火を切った集会が新潟で開催されましたが、この準備に奔走されるとともに、自らもパネリストとして発言し、集会を大成功させたことも忘れられない思い出です。
そして、今井さんは何よりも農業が大好きで、農民をこよなく愛している方でした。最近の異常気象に心を痛め、生産費を割り込む低米価に怒り、農業つぶしの攻撃には舌鋒(ぜっぽう)鋭く反撃する姿が脳裏に焼き付いています。
今井さんの思いを受け継ぎたたかうこととともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
(新聞「農民」2012.10.29付)
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