「農民」記事データベース20121015-1041-02

全国の仲間のみなさんに訴えます

2012年10月1日 農民連会長 白石 淳一


前大会からの2年間のたたかいを力に
飛躍を切り開く第20回大会成功に向け
会員と読者拡大に全力をあげよう

 全国の仲間のみなさん

 収穫の秋を迎え、忙しい毎日を過ごされていることと思います。昨年来、東日本大震災や原発事故、各地を襲った豪雨被害、米価の乱高下や稲の高温障害、野菜価格の暴落など、農民にとって頭の痛い、翻弄されることばかりが続いています。アメリカでの大干ばつなど、世界各地で自然災害が頻発し、穀物価格は史上最高値となり、途上国では人々の生存権が脅かされています。食糧の6割余を外国に依存している日本でも、小麦や大豆油、飼料価格が高騰し、先行き不安が広がっています。

 農業生産を拡大して食料自給率を向上させる以外に解決の道はなく、農民のがんばりと、がんばる農民の背を押す政治が今ほど求められている時はありません。ところが野田首相は、反対世論を無視して農業を根こそぎダメにするTPP参加に前のめりになっています。原発事故の責任を誰もとらないまま大飯原発を再稼動させ、「2030年代に原発ゼロ」というあいまいな方針すらアメリカと財界の圧力で腰砕けとなりました。沖縄へ世界一危険な輸送機オスプレイを強行配備するなど、国民が困ること、反対することばかりをやっているのが野田内閣です。もはや民主党には、3年前に国民が期待した姿はなく、自民党と同じ党になってしまいました。

 自民党は、アメリカと一緒になって戦争する国にするための「集団的自衛権の行使」、憲法9条の改悪、原発ゼロを求める運動の敵視など“極右政党化”の道を突き進んでいます。この2つの党と公明党が増税連合を組んで消費税増税を強行しました。もはや「2大政党制」も破たんしました。

 「近く」総選挙が行われようとしています。この選挙は、小選挙区制と「2大政党制」で民意を押さえ込んで暴走してきた政治を変える、またとない機会です。選挙の結果は、TPPや消費税増税の実施に直接、影響を及ぼすだけでなく、原発ゼロの日本に踏み出すかどうかがかかったたたかいです。かつてない国民のたたかいの盛り上がりの力を結集して、暴走政治に審判を下そうではありませんか。

 いま問われていることは、だれもが安心して働き、暮らせる持続可能な社会をつくることです。原発は人類の持続性を否定する最悪の凶器です。人間にとって1日たりとも欠かせない食糧が危機的事態に陥っているときに、TPPに参加することほどバカげたことはありません。

 農民連は、持続可能な社会に背を向ける勢力と妥協せずにたたかい抜きます。同時に、地域から持続可能な社会をつくる運動に全力をあげなければなりません。地域の生産力を掘り起こし、農業でがんばる農家を増やして食糧生産を拡大し、原発を必要としない社会をめざして再生可能エネルギーの生産に全力をあげます。それは、農山漁村を復権させる道です。こうした役割を地域で力強く担える農民連をつくろうではありませんか。

 全国の仲間のみなさん

 農民連は来年1月に第20回定期大会を開きます。大会の成功に向けて、10月1日から大会開催時までの期間、会員と新聞読者拡大運動に取り組みます。

 大会は、農民連結成以来の四半世紀近い運動の蓄積と、前大会からのたたかいの成果を総結集して、今後の農民連運動の飛躍の展望を切り開く機会となります。この秋、TPP参加反対や原発ゼロのたたかいを柱に取り組まれる食健連のグリーンウエーブ行動を大きく盛り上げようではありませんか。また、高い国保や介護保険料の軽減、確定申告の準備、生産を広げて販路を開く運動など、農家に呼びかけて農民連への加入を勧めてください。農民連が毎週、情報を発信する新聞「農民」を購読してくださる方を広げてください。

 農民連が組織を大きくして大会を迎えることは、多くの農家を激励し、TPP参加に反対する多くの人々にも希望を与えるでしょう。そして何よりも、誰もが安心して働き、生活できる持続可能な社会を実現する力になることでしょう。私も、みなさんの先頭に立つことを誓って、訴えとします。

(新聞「農民」2012.10.15付)
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2012年10月

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