福島県北農民連
損害賠償相談会
自らの力で賠償勝ち取ろう
やっぱ 農民連は頼りになるなあ
福島県北農民連は9月19、20の両日、福島市と伊達市保原町の合計4カ所で、「誰かに委任するのではなく、農民一人ひとりが損害賠償を勝ち取ろう」と、損害賠償相談会を開きました。福島県北農民連では、10万枚の案内チラシを地元の新聞に折り込み、参加を呼びかけました。
カレンダーに売上額
19日に行われた福島市の損害賠償相談会には、旧飯野町からバスで来たという佐藤益子さん(82)が、毎日の売り上げを書き込んだカレンダーを持ってきて、「これでも請求でぎっかい?」と相談していました。佐藤さんの住む旧飯野町は、放射線量が高い川俣町の隣町。佐藤さんはホーレン草やコマツナ、シュンギク、ゴボウなどの野菜をバイクに乗せて“引き売り”してきましたが、原発事故以降、まったく売れない日が続きました。カレンダーには赤いボールペンで「売れない」と書かれ、怒りが込められているようでした。相談に応じた福島県北農民連事務局長の服部崇さんは「大丈夫だ。もっと資料を整理すっぺ。おれも同席して東電の職員を佐藤さんの家にいがせっから」と話すと、「安心したよ。やっぱ、農民連はたよりになるなあ」と喜んでいました。
その場で4人加入 また保原町の会場には、果樹農家が20人近く集まりました。県北農民連の赤井久好さんは相談会をはじめるにあたって、「桃の海外輸出で夢と希望を与え、意気消沈している農家を励ましたい。原発事故の影響はこれからも続く。農民連といっしょに東電に損害を賠償させよう」と呼びかけました。
次に服部事務局長が、「まず農協の委任状を取り下げてください。委任すると自分がどれだけ損害を受けたか、いつ、どれだけの金額が支払われるのかわかりません。東電と向き合いながら損害額を確定し、自らが納得し自分で決定しましょう」と、請求の仕方を説明しました。昨年の損害賠償請求で農民連に入った国見町の斉藤弘雄さんは、5人の仲間を連れて参加。「農協に委任してもダメだ。東電になにも言ってくれない。農民連ならなんでも相談にのってくれる。ぜひ農民連に入って請求すっぺ」と誘うと、その場で4人が農民連に加入しました。
また、20日にも6人の農家が農民連に入って損害賠償することになりました。
(新聞「農民」2012.10.8付)
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