「農民」記事データベース20120924-1038-06

牛肉の輸入規制を緩和するな

パブリックコメント(政府への意見)集中しよう

関連/パブリックコメントの送り方


 内閣府食品安全委員会プリオン専門調査会が、BSE(牛海綿状脳症)対策についてアメリカ産牛肉の輸入規制緩和などを容認した評価書をまとめたことにともない、同委員会は9月11日から国民からの意見(パブリックコメント)の募集を開始しました。

 同委員会は、今後1カ月間(10月10日まで)パブリックコメントを受け付けた後、正式に厚生労働省に答申することにしています。政府はこの答申を受けて、早ければ年内にも輸入規制の緩和を正式決定し、来年春までに省令や検疫所への通知などの手続きを行い、規制を緩和することを想定しているといいます。

 パブリックコメントは、「政府が政令、省令などを制定する際、その案について広く国民から意見や情報を募集するもの」とされています。しかし、これまでパブリックコメントで集まった国民の声が、実際に答申に反映されたことは皆無に等しく(昨年度に同委員会が行った64件のパブリックコメントのうち、国民の意見によって答申内容が変更されたケースはゼロ)、国民からは「形だけだ」という強い批判の声があげられてきました。

 原発ゼロの声が政府を動かした

 しかし、今年8月に行われた「エネルギー・環境政策に関するパブリックコメント」では、原発比率が焦点となり、およそ9万件におよぶ声が寄せられました。しかもその9割が原発ゼロを支持し、政府も集まった意見を検証する専門家会合を新設せざるをえないところまで追い込む力になっています。

 そもそも今回のBSE対策の緩和は、日本のTPP交渉参加への「入場料」として、アメリカから強く要求されて始まった議論です。TPP参加に反対する世論が高まるなかで、日本消費者連盟が「国民の健康を後回しにし、政治的決定を優先するこのような評価は認められない」との抗議声明を発表するなど、消費者からも強い抗議の声が上がっています。

 パブリックコメントが政策を決定する上で、国民の声を反映する力を発揮しつつある今こそ、「牛肉の輸入条件を緩和するな」の圧倒的な声を、委員会に集中する必要があります。


パブリックコメントの送り方

▼インターネット 食品安全委員会のホームページから送信フォームで。
▼FAXや郵送でもできます。

 記入事項、送り先等、詳細は同委員会のホームページで確認して下さい。

(新聞「農民」2012.9.24付)
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2012年9月

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