「農民」記事データベース20120917-1037-19

旬の味


 農業改良普及所からの依頼で、地元の農業高校1年生に「農業の魅力」というテーマで出前授業をした。人前で話すのがあまり得意ではないので、撮っておいた写真を頼りに養鶏や就農の経緯などを話した▼「家が農家の人は?」と聞くと、数人が手をあげた。両親も、元は農業と縁もゆかりもない仕事からIターンで就農した。だから「実家が農家かどうかで農業がうまくいくとはあまり関係ないと思っている」という話をした▼両親は、就農した当時何もない自分たちの家と、立派な蔵や農機具小屋のある農家を比べてうらやましく思ったと言う。けれど、今となってみれば何代も続いた農家が空き家になり、何も持たずにやってきた私たちが農業を続けている▼テレビなどでTPPの話を耳にする機会が急に減ってきた。全国のたたかいの成果もあるだろうが、こんな時こそ、国民の目を盗んで話が進められている気がしてならない。あの高校生たちが就農する日、農業に希望の持てる国にしておかなければと思う。

(よ)

(新聞「農民」2012.9.17付)
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2012年9月

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