この人
農民シンガーソングライター(山形・鶴岡市在住)
小野寺 裕さん(59)
米作りも“名人級”の腕前
6・4ヘクタールで米とだだちゃ豆をつくっている小野寺裕さん(鶴岡市、旧藤島町)は、農民シンガーソングライターです。その名も“ゆたか”。
また男女6人の音楽バンド“ぱっちわーく”のリーダーでもあります。主な曲は「あのすばらしい愛をもう一度」やユーミン(松任谷由実)の曲など、1980年から90年代の歌をレパートリーにしているそうで、地元のイベントなどにも出演依頼が舞い込んでいます。これから、11月に開催予定の「藤島音楽祭」の実行委員長として忙しくなります。
小野寺さんは、米作りも“ミスターササニシキ”といわれるほどの腕前。農作業との両立がますます大変です。
2009年7月、庄内地域あげて「米価暴落・黙ってはいられない、怒りの農民総決起集会」が開かれたことをきっかけに、庄内産直センターの佐藤光雄組合長(当時)が、「黙っては、いられない」という詩をつくりました。小野寺さんがこの詩に曲を書いて歌が生まれました。「当時は米価暴落に『黙ってはいられない』でしたが、いまはTPPにも消費税にも原発にも『黙っていられない』ですよね。今度、鶴岡市のイベントでも歌います」と、農作業で日に焼けた顔をほころばします。「でも16ビートの曲なので、手拍子をとってみんなで歌うことがちょっとむずかしい」とも。
全国研究交流集会では、ギターとハーモニカを演奏しながら、力強い声を響かせていました。
(新聞「農民」2012.9.10付)
|