「農民」記事データベース20120903-1035-02

米屋さんと生産者を
つなぐ交流会
大阪

農民連ふるさとネット

関連/日本大学准教授の野口邦和さん“放射能と食”をテーマに講演


お米屋さんと生産者が
タッグ組みさらに強く

 農民連ふるさとネットワークは8月19日、大阪市内で、「米屋さんと生産者をつなぐ交流会」を開きました。春から米屋に米が回らず、政府備蓄米が突然放出されるなど、今年の米への関心は高く、猛暑の中、米屋さんと卸業者、生産者ら130人余が参加し、熱心に交流しました。

 今年でちょうど10回目を迎える

 農民連ふるさとネットワークの森谷精事務局長が、冒頭、東日本大震災や九州北部豪雨災害への支援に対して感謝の言葉を述べ、「生産者の顔の見えるお米を消費者に届け、日本農業を守ろうと始まったこの交流会も、今年でちょうど10回目を迎えます。さらに活発な交流会にしてほしい」と呼びかけました。

生産者の顔のみえる
安心・安全な米ぜひ

 来賓あいさつした大阪府米穀小売商業組合(大米商)の道満正義理事長は、「産地をいかした特色ある米が消費者に支持されつつあるようです。また、生産者の顔の見える米はとても大事で、これは量販店にはできません。私たちは『このお米はこういう生産者が作っている』と消費者にアピールすることができます。いま、卸からなかなか米が調達できない状況ですが、ぜひ、米屋と農民連がいい関係でタッグを組んでやっていきましょう」と、力強いエールが送られました。また、津田物産の古林剛(たけ)海(うみ)仕入部課長と全農林大阪府協議会(農水省で働く職員の労働組合)の湯川喜郎委員長もあいさつしました。
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“農民連といい関係で”とあいさつする大米商の道満理事長


日本大学准教授の野口邦和さん
“放射能と食”をテーマに講演

 日本大学准教授の野口邦和さんが、「原発事故から1年半―広がる汚染とどう向き合うか」と題して講演しました。野口さんは、福島第一原発事故で大気中にどれだけの放射性物質が放出されたかなどの実態や、放射能と放射線の違いなど基礎的な知識、そして外部および内部の線量を下げるためにはどうすればいいかなど、パワーポイントを使いながら、わかりやすく解説しました。

 また、福島・会津産直センターの安部一浩事務局長が、全袋検査の実施など福島の現状と農民連の取り組みについて報告し、「農家は風評被害を心配している。安心・安全な米を届けるのでぜひご協力を」と訴えました。

 各産地からは「今年は4月ころの低温で丈が短めで収量を心配していたが、7、8月の高温で持ち直し、平年並みかそれ以上の収穫が期待できる」など、稲の生育状況などが報告されました。そのなかで福井県農民連の玉村正夫さんは、「9年前に12戸で始まった準産直米は、昨年54戸にまで広がった。さらにJA越前たけふの協力も得られることになり、今年はぜひ1万俵に挑戦したい」と決意を述べました。

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“わかりやすくためになった”と好評だった野口さんの講演

 産地からの情報私たちの強み

 今回で3回目の参加という山下食糧(株)(大阪市東成区)の山下治男さんは、「これからの米屋は専門性をいかに売り出すかだと思っているので、野口先生の話はたいへん参考になり、実りが多かった。きちんとした知識を身に付けなければとあらためて思いました」と話していました。また農民連のお米を扱う米屋さんのグループ「あすなろの会」に最近、加入したウジマル米穀店の氏丸重之さん(兵庫県尼崎市)は、「今日は、産地から直接話を聞けてよかった。野口先生の話もじっくり聞けました。私たちのような米屋にとって、産地からの情報が強みです。これからも産地に足を運びますので、ぜひタッグを組んでいきましょう」と、新聞「農民」の読者になってもらいました。

(新聞「農民」2012.9.3付)
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2012年9月

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