リオ+20(国連持続可能な開発会議)を
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福島の現状を訴える菅野さん(左から3人目) |
ピープルズ・サミット会場は多くのNGO団体、環境団体の大きなテントが数キロにわたり並び、環境保護の取り組みやブラジル先住民の手づくりのブースが並んでいました。15日のセミナーでは、少し緊張はしましたが、南相馬市の現状やこの1年間の有機農家の取り組みなどを発表できました。参加者は少なかったものの、台湾の反核反原発の青年が熱心に質問をして連帯することができました。
その日の夕方は、ブラジルの反核反原発などに取り組む民主化運動のリーダーのシコさんに出会うことができました。テントには60人以上のブラジルの方を中心に集まっていただきました。
残念ながら「ジャパンパビリオン」には環境省やいくつかの企業が展示していましたが、原発事故の現状を伝えるものはなにもありませんでした。また、本会議場で話し合われている、エネルギーや食糧、水、教育や貧困など持続可能な社会の「希望の未来」は、リオにいる間はほとんどみえてきませんでした。
また、大規模なダムの建設により、川をなりわいとしてきた先住民のくらしが脅かされています。原発事故で被害を受けた福島と同じ構造ではないかと思えてきました。会場ではビア・カンぺシーナの集会と連帯できました。自然の恵みをいかした生態系を守る農業を破壊するような経済成長は「グリーン経済」とはいえないと。
今回、福島の有機農家を「リオ+20」に送り出していただいたのはこの1年間、福島に寄り添い支援していただいた東京のみなさんです。
地域の食と農業と産業を守るために、消費者や環境団体など多くの力で原発のない、自然の恵みを生かす新しい産業のあり方をつくっていかなければならないと思いました。
高尾山の自然を守る環境NGO「虔十(けんじゅう)の会」の坂田昌子さんは、「本会議そのものは『壮大なる失敗』などと言われているが、もう一つの大きな柱、ピープルズ・サミットは大きく盛り上がった」と紹介。NGOが遺伝子組み換え、原発、遺伝資源の問題などで議論を深め、市民のデモも飛び入りがあって、大きく膨れ上がっていったことを述べました。
「リオ+20」の参加者が語り合いました |
また、他の参加者も「参加者同士の情報共有が進み、NGO相互のつながりが深まった」「国家を超えた自分たちのルールを決めた。次のCOP11(生物多様性条約第11回締約国会議)などにつなげていきたい」「小規模農家や他の農業者と交流できた。最大の成果は、次につなげるネットワークを持ち帰ってきたこと」などの意見が出されました。
UNDB市民ネット幹事の今井麻希子さんは、はじめに本会議の成果について発言。主要なテーマである「グリーン経済」について、「重要なツール(手段)」と位置づけられ、その実施と達成、技術の重要性を確認したことを報告しました。
また、「食料、水、エネルギー、気候変動、生物多様性、教育をはじめとする26の分野別の取り組みについて合意されたが、原発や遺伝子組み換えの問題への対処には直接触れず、市民参加や情報へのアクセス、人権への配慮といった視点で不十分だった」と述べました。
とくに海外の参加者やNGOから、原発事故への言及がないことへの不満や、日本に原発が54基もあり、政府が脱原発を決定していないことに、驚きの声があがっていたことを報告しました。
[2012年8月]
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