「農民」記事データベース20120730-1031-12

協同組合がよりよい社会へ
地域貢献の活動これからも

 2012年は、国連が決議・宣言した国際協同組合年(IYC)です。農協や漁協、生協などで構成する日本協同組合連絡協議会(JJC)と国際協同組合年全国実行委員会は7月18日、東京・中野区で国際協同組合デー記念中央集会「協同組合がよりよい社会を築きます」を開き、約1000人が参加しました。


国際協同組合デー記念中央集会

 地域貢献賞に4団体選ばれる

画像 初めて行われた地域貢献コンテストには、全国から215の応募があり、そのなかから4つの団体が最優秀賞に選ばれました。このうち、北海道別海町にある野付漁協は、「森と川と海はひとつ」を合言葉に、「100年かけて100年前の自然な森を」を旗印にして、生協とも交流しながら植樹を通じた環境保全活動に取り組んできました。また、佐賀県協同組合女性連絡会は、20年間にわたって「酸性雨」の環境測定調査を継続してきました。その結果、佐賀県の酸性雨の原因が中国にあることを見事に証明しました。そのほかに表彰されたのは、東京の「ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン」と沖縄の「コープおきなわ」です。

 「協同の共同」は必ず社会の力に

 IYC全国実行委員会代表で経済評論家の内橋克人さん(写真上)が講演を行い、「『協同の共同』という取り組みは、必ず社会を良くする力になる。食糧(F)、エネルギー(E)、福祉(C)、このFECの自給権の形成こそ協同組合の使命だ」と課題を提起。「政治のあり方を含め、現代の日本をどう変えていくべきなのか、いまこそ遠慮なく声をあげることが求められている時ではないか。自らをセーブしたり権力批判はやめておこうというような古い体質を脱ぎ捨て、自分が正しいと思うことを言葉にして伝えよう。賢さを伴った勇気で、協同組合人としての使命感で、いまの社会を救ってほしい」と呼びかけました。

 また、20代、30代の協同組合組織の職員30人が壇上にあがり、千葉大学教授の小林正弥さんとシンポジウム「協同組合白熱教室」を行いました。この教室は、「協同組合は『脱原発』の声明を出すべきか」など、小林教授の問いかけにパネルに回答を書いて議論を深めるもので、「福島原発の事故は、生協の事業と原発は相いれないことをはっきりと示した」など、会場からも声が上がりました。

 閉会あいさつで、日本生協連合会の浅田克己会長は「協同組合の使命である地域貢献の活動を一つひとつ積み上げていく。このことが協同組合の存在意義をいっそう高めていく。国際協同組合年を今年だけにしないで、勇気を持って発言・行動し、未来につなげていこう」と強調しました。

(新聞「農民」2012.7.30付)
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2012年7月

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