「農民」記事データベース20120723-1030-09

千葉県香取市の山田農民組合―
山田町(岩手)訪れ漁民組合と交流


海産物の買い支えが復興の手助けに

 千葉県香取市旧山田町にある山田農民組合は7月3〜5日、同名の「山田」つながりで岩手県山田町を訪れ、新しく発足し農民連に加入した漁民組合と交流しました。

 バスで仙台市付近に近づくと、田んぼは津波による塩害の影響か、この時期にもかかわらず冬の時期のように赤茶けた草が枯れたままです。

 さらに北上して、陸前高田市、大船渡市、釜石市などを通っていきました。昨年5月に、農民連関東ブロックの青年部で陸前高田市へ炊き出しのボランティアに行きましたが、当時にくらべ半壊などの家屋が片付けられコンクリートの基礎部分だけになっていました。しかし、ガレキが撤去されただけで何も変わっていない町並みに、復興の遅れと再建への道のりはまだまだ時間はかかるとの思いを強くしました。そして、今後の支援の大切さを痛感しました。

 山田町に到着すると、バスのトランクいっぱいに積んだメロンやとうもろこしなどの野菜を届け、漁民組合の佐藤照彦さんから被害の状況や漁民組合が結成されるまでのたたかいなどを聞きました。そのなかで、引き続き食料品などの支援が必要なことや、「被災した漁民が漁業を営んでいくためには、海産物を買い支えてもらうことが一番の励みになる」との話に、「ぜひ取り組もう」との声があがりました。

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山田農民組合から贈られた“激励旗”を手にする佐藤照彦さん(前列中央)

 最後に、山田農民組合の組合員が寄せ書きした旗を手渡しました。別れ際、漁民の方から、“どんこ”という魚をおみやげにいただき、宿泊するホテルで調理してもらいました。そして、漁民の方の心遣いに感謝しながらみんなでおいしくいただきました。

 今回の交流を通じて思ったことは、農民が「ものをつくってこそ農民」であるように、漁民も漁や養殖で生産しなければ復興は始まらないし、売れなければ生活が成り立たないということです。物資の支援と合わせて、買い支えることが復興への手助けになるとあらためて感じました。

(千葉県農民連 梅澤準)

(新聞「農民」2012.7.23付)
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2012年7月

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